KORG (コルグ)

株式会社コルグ (KORG INC.) はシンセサイザーやデジタルピアノなど電子楽器を製造、販売している国内のメーカー。1963年創立。創業当時の会社名は京王技術研究所であり、この名称は「ドンカマチック」を制作した創業者の加藤孟 (かとう つとむ) の「K」とアコーディオン奏者の長内端(おさない ただし)の「O」から付けられ、それに本社が京王線沿いにあったことから「京王」の字が当てられたもの。KORGという名称は「KOの作ったOrgue (フランス語でオルガン)」からとられた造語である。これは1972年に発売されたオルガンの商品名であり、以降はブランド名として使われるようになった。(wikipedia KORG より)

 

写真:KORG 最初の商品「コルグ」

コルグの加藤と言えば、日本が生んだ「シンセの神」として未だに海外に多くのファンを持つ人物であり、70年代当時の楽器業界では、アメリカ NY のロバート・モーグ (Robert Moog) に唯一対抗出来るシンセサイザーを作る日本人として話題を呼んだ。そんな加藤が最初に開発した製品は、今やスタジオ等の現場でリズムの代名詞として使われる「ドンカマ」の語源となった「ドンカマチック」だ。当時カラオケというシステムがない時代の飲屋街では、ギターやアコーディオンを使い演奏してまわる「流し」という業種があった。流しアコーディオン奏者であった長内端は、バンドを率いて演奏していたが、自分一人で演奏するために、バンドのような自動演奏の機械はできないかと考えていた。これがリズムの自動演奏、リズムボックス「ドンカマチック」の最初の発想である。名称の由来は、バスドラムの「ドン」、クラベスの「カッ」という音が出る「オートマチック」から命名された。国産初の円盤回転式電気自動演奏装置の誕生だった。

2007 KORG ZERO シリーズ

そんな歴史を持つコルグが2007年に発表したのが、デジタル・ミキサー、オーディオI/O、MIDI コントローラー、エフェクターを一台に集約したスーパーマシン。ライブ・パフォーマンスの新境地を切り開く「ZERO8 / ZERO4」の同時発売だ。

 

"音楽がもつダイナミズムを、もっとも鮮明に提供、享受できる空間は、とりもなおさずライブである。音と音、パフォーマーとオーディオエンスとの化学反応は、その空間をあらゆる方向から驚きと感動として包み込む。LIVE CONTROL MIXER ZERO がもつ“音楽の実験室”という本質は、これまでのライブにおける枠組みを超え、まだ見ぬ感動に立脚している。ミックス、コントロール、エフェクト。そのすべてが演奏となり、すべての核となる新しい楽器 LIVE CONTROL MIXER ZERO。未来と交信するのは、このときだ。"

 

映像:ZERO8 実演 (Numb x Sidrum)

インタビュー TATSUKI

ZERO4 DJ ミキサーのアドバイザーとして、今回の商品開発に関わった現役 DJ のタツキ氏に商品の発想から開発に至るまでの状況を振り返ってもらった。

 

TATSUKI (以下 T): 2006年頭に音楽プロデューサー仲間の「ナム (Numb)」さんから突然連絡があって、「今コルグと組んで、凄いバケモノを作ろうとしてるんだ」と言われたんです。もともとナムさんはラップトップ、MIDIコン、エフェクター等、沢山の機材を駆使して、ライブするミュージシャンで、以前からすべての機能が1つに集まった完璧な機材が欲しいと言っていたのを思い出して、すぐにピンときましたね。ナムさんが思い描いたのは、ミキサー、MIDIコン、オーディオ・インターフェイス等を搭載して、すべての中継地であり、核であるコア・ステーション。さらにコルグの持つテクノロジーを惜しみなく投入し、カオス・パッドはもちろん、

PC からのオーディオ・ソースをデジタルのままミックスや加工ができる FireWire 端子を装備する等、ものすごい企画でした。ナムさんが言うには、商品はコンソール型 (ZERO8) と DJ ミキサー型 (ZERO4) の2ラインを予定しているので、DJ ミキサーの方で、現役 DJ の生の声が欲しいとの事でした。僕も欲しい機能がすべて入った "完璧なミキサー" をずっと夢見ていたので、即 OK して、コードネーム「bakemono」のプロジェクトがスタートしたんです。

 

惜しみなく使われたコルグの新技術

ーこの企画での新しい試みは何ですか?

T: 実は ZERO シリーズの開発は、2年前からスタートしていたんです。「他社と同じ事はしない」というポリシーを持つコルグは、これまでの常識を覆すようなミキサーを目指して、沢山の新技術を使いました。

Point 1 - FireWire 端子を2つ装備しています。これにより PC への接続が可能で、サンプラーやオーディオ・インターフェイス、MIDI コントローラーの役割を果たします。曲作り、ライブ・パフォーマンス、MIXテープの作成などが簡単に行えるようになります。

 

Point 2 - 次世代のエフェクト。ZERO8 には、カオスパッド同様「タッチパッド型」のエフェクターが搭載されています。(ZERO4 はツマミによるエフェクトのみ)

 

Point 3 - レコード/CD/マイク/FIREWIREオーディオ/MIDIコントローラー/MIDIコントローラー+オーディオ/ギターなど、さまざまなオーディオ・ソースをチャンネルごとに瞬時に切り替えることが可能な、マトリックス・インプット・セレクターを採用しています。さらに様々な音楽ジャンルに適したEQ特性とカーブ、強烈なフィルターやアイソレーターをZERO8はチャンネルごとに、ZERO4は全チャンネル一括で切替可能です。

その他にも、サンプリング機能やフェイダーの切り替えなど、使える機能が盛りだくさんです。なんと言っても PC に直接繋げるのが凄いですよね。これがあればオーディオ・インターフェースはいらないですし、MIDIコンとしても使えますからね。エフェクトやフェイダーカーブの調節も PC の画面上で制御可能ですから、もうこれは立派な電子楽器ですね。

 

ー他社とのコラボレーションの可能性もあるとか?

T: そうですね。まだ未定ですが、ドイツの「Native Instruments」という会社と共同して "TRAKTOR SCRATCH 機能" (デジタル・タイムコードを持つ特殊なレコードを使い、 PC で再生した MP3 音源をターンテーブル上で操作する) を追加する事も可能だと思います。ちなみに Ableton Live を初め、多くの音楽ソフトとの相性はバッチリです。

KORGジャパンと海外マーケット

ーコルグという会社について教えてください。
T: 今や世界トップレベルのブランドですからね、その技術力には驚きました。初代ドンカマチック以降、他社には無い新しいアイデアと技術で多くのヒット商品を出しています。なんと ZERO シリーズもたった2人の技術者が作ったんですよ。コルグはもともとシンセサイザーが有名で、78年の "MS-20"は、アメリカとヨーロッパで大きな話題となり、81年に発売された "Polysix" でその人気を不動のものにしましたね。90年代には、"Electribe"、"Triton"、"Kaoss Pad" など、まったく新しい形の機材を開発して、シンセ以外での商品でも人気を獲得してきました。2002年の "MicroKORG" は、アメリカの人気ヒップホップ・プロデューサー「The Neptunes」が愛用する機材として、世界中で大ブレイクしました。

コルグは国産ボコーダーを最初に作ったメーカーでもあり、この "MicroKORG" にもその機能が搭載されています。その当時の曲でボーカルにボコーダーをかけるのが流行ったのは、この機材がきっかけです。

 

ー海外マーケットについて教えてください。

アメリカとヨーロッパではとにかく人気のあるブランドで、様々なジャンルのアーティストに愛用されています。楽器屋では常に商品の中心に居続けています。

最後にコルグ ZERO シリーズは、まだまだ進化する可能性がある機材と言えます。ソフトのアップ・グレードや、他社との共同開発により追加される新しい機能など、購入後がさらに楽しみな商品ですね。

 

Written by H.Ichise

 

情報提供:

Tatsuki (Blue Foundation)

http://www.bluefoundation.dk

VJ Kiyasu (ZERO8 デモ・ビデオ撮影担当)

http://www.myspace.com/kiyasu

KORG Japan:

http://www.korg.co.jp

Native Instruments:

http://www.native-instruments.com