UK 音楽の革命児

1993年に音楽レーベル「Droppin' Science (ドロッピン・サイエンス)」を立ち上げる。ドラムンベースとヒップホップが混ざった lo-fi ビートにトリッピーなサンプルを乗せるという、その一風変わったサウンドが話題を呼び人気を集める。2000年には、多くのファンが待ち望んだドラムンベース・アルバムが老舗レーベル「True Playaz (トゥルー・プレイヤズ)」からリリースされた。(Music For Martians and Other Extra Terrestrials) これが当時の UK ドラムンベース・ムーブメントの中で革命的な名曲として、爆発的な売り上げを記録した。後にインスト・ヒップホップ レーベル「Alphabet Zoo (アルファベット・ズー)」を立ち上げて、現在はヒップホップのプロデューサーとして世界的に人気を誇る。現在彼のトラックは、Madlib (マッドリブ)、Cut Chemist (カットケミスト)、Mr Scruff (ミスタースクラフ) 等、多くの大物 DJ に愛用されている。

Beatport

Beatportプレイヤーで、この記事に関連するアーティストやレーベルの曲を視聴/購入する事が出来ます。曲を聴きながら記事を読み、よりリアルな雰囲気を味わってください。

> Beatport.com

Get These TracksAdd This Player

インタビュー

- 音楽を始めたきっかけは?


D: 自分は70s世代の人間だからね、BMX から スターウォーズ・ブームまで色々見て来たよ。最初は1984年にブレイクダンスやラップ音楽がアメリカから UK に伝わって来たんだ。その当時の DJ がスクラッチしたりドラムカットしているのを見て、影響されて自分でも練習し始めたんだ。


- いつ頃ドラムンベースを始めたの?


D: 1991年頃にロムフォード地方にある「Boogie Times (ブーギー・タイムス)」と言うレコード屋で働いていて、そこではヒップホップ、ソウル、ファンク、レイブミュージックなんかを売ってた。その当時の DJ は、今と違いヒップホップでもハウスでも何でも買う、1ジャンルにこだわらない奴が多かったな。

当時のロムフォードはレイブシーンが盛り上がっていて、ショップはシーンの中心として DJ 達に親しまれてた。ちょうど同じ頃、ブレイクビーツのシーンもまた盛り上がって来ていて、僕はそっちに興味があったね。昔はインストのヒップホップなんて誰も興味なかったから、受け入れてくれる所が無かったんだ。だから僕の最初のリリースは、91年に「Suburban Bass (サバーバン・ベース)」ていうブレイクビーツのレーベルから出した。そのシングルが凄く売れて、そのお金で自分の家を買う事が出来たんだ。でも面白いもので、その時の売り上げが今までで1番でかいヒットだった。それ以来1枚のシングルでそれだけの金額を稼いだ事はないんだよ。その後、1993年になってドラムンベースのレーベル「ドロッピン・サイエンス」を始めたんだけど、ちょうど同時期にハイプが「Ganja Kru (ガンジャ・クルー)」、アンディが「Ram (ラム)」を始めた時期でもあるんだ。

- 現在はどんなスタイルの音楽を作っているの?

 

D: ドラムンベースを作っていた時は、ずっと E-MU のサンプラーとマッキーのデスクを使ってた。今は MPC をアレンジとして使って、サンプラーはまだ E-MU を使ってるよ。僕のトラックが一般的なインスト・ヒップホップと違い、エッジの効いたサウンドと言われてるのは E-MU サンプラーを使っているからかもしれない。僕は70年代の古いサウンドが大好きなんだ。彼らの曲作りとサウンド・クオリティは、現代の手法では、まね出来ない音だからね。今はデジタルによってかなりクリーンな音を出せるから、昔のイージーリスニングやラウンジ音楽の様なメロウなサンプルをヘビーなベースラインとミックスさせる事で、オリジナルで新しい音楽を作っているよ。

- 今後のトラックにヴォーカルやラップを乗せる事を考えてる?


D: 普通はインストのトラックをかけると、ラップ入りと比べて少し単調で鈍い感じがするよね。僕はただのドラムループの上に、もういくつか音を重ねたくらいの、音数が少ないくらいがすきなんだよ。MC がシンプルなビートの上にラップだけを乗せるようにね。 UK の MC は何人か好きな奴もいるけど、基本的にはアメリカのラッパーが好きだね。多分 US 物のヒップホップで育ったせいかな?もうそれが自分のテイストにはめ込まれた感じだね。

- 現在の UK ミュージック・シーンをどう思う?


D: 最近はクラブへ遊びに行ってない。友達と近所で遊んでる事が多いな。シーンにくっついて徒党を組んでいる奴が多いけど、そういうのは好きじゃない。中には、「この DJ は、最近 "2ステップ" や "テクノ" みたいなドラムンベースをやっていて、"ブレイクビーツ" じゃないから、みんなでボイコットしよう」なんて奴らもいる。例えばグルーブライダー (UK ドラムンベースの DJ) みたいな奴が "2ステップ" を作ったとして、でも DJ の時は、ドラムンベースをかける。するとみんなは、彼が "2ステップ" 作っているという理由で、ボイコットするんだ。ばかばかしいね。それに DJ は、ただ新しい曲をかけるだけじゃなくて、古くても良いトラックをもっとセットの中に混ぜていくべきだと思う。

新曲を次から次へとかけるだけなら誰にだって出来るけど、広い音楽の知識を生かした選曲をした方がもっとリスペクトされるよね。

 

- 10年後も音楽に関わっていると思う?

 

D: 僕は今34歳だからね。10年後は44歳だよ!過去5年間は、ずっとその年が最後の音楽ビジネスだと思ってやって来た。それでそのあとは、別の仕事をやろうと思ってたんだ。でも毎年、予想外のビッグプロジェクトが決まって、逆に年々調子が上がって来てる。2007年1月には、「Stones Throw Records (ストーンスロウ・レコード)」と「Adult Swim (アダルト・スミス)」との共同企画でリリースされたコンピレーション「Chrome Children (クロム・チルドレン)」vol.2 に参加したよ。僕はマッドリブとジェイ・ロックが大好きだから、凄くうれしかったね。

あと最近注目してるのが、"Flying Lotus" (フライング・ルータス)。彼のエレクトリックなサウンドと、スウィンギング&ファンキーなビートの混ざり具合がプレフューズ 73みたいでカッコいい。とにかく今後もこの調子で色々なプロジェクトをやっていけたら、すっと音楽シーンにいれると思うよ。

 

Danny Breaks : myspace.com/dannybreaks

Wikipedia : Danny Breaks

 

Written by Selph

Translated by Irie