UK music

多くのバンドが活動する UK ロックシーンにおいて、およそ2年前に再勃発したバンドブーム。2007年半期を向かえ、その勢いは休むことなく、未だ加速している。イギリスの歴史に名を残すバンドは、1962年にレコードデビューした The Beatles (ザ・ビートルズ) を始め、1964年に誕生した The Who (ザ・フー) 、1977年にパンク・ムーヴメントを巻き起こした Sex Pistols (セックス・ピストルズ)、1994年に驚異的なレコード売り上げをマークした OASIS (オアシス) など数知れない。移りゆく時代の中で、現代ならではのニュー・スタイルが到来し新たなる展開を見せている現在、多くのファンが支持するのはもちろんのこと、このシーンを支える縁の下の力持ちこそがロックシーンに根を張りアーティスト発掘に抜け目ない数多くのレーベルなのだ。今回は UK の大型マネージメント会社 Channel Fly の中の人気レーベル「Best Before Records」のアンソニーにインタビュー。

Scruffy Bird インタビュー

- レーベルの歴史と方針を教えて?

 

Anthony (以下A) : 僕らBest Before Records (以下BB) は「Channnel Fly (以下CF)」という会社の1部で、この会社は「Barfly」と言うライブハウスを全国に持っている他に、「Jazz Cafe」「The Forum」「The Borderline」「The Garage」「Hammersmith Apollo」等の有名ベニューを数多く所有する会社だ。CF 設立者の1人である「Be Rozzo」と僕は元々良い友達で、彼に新しいレーベルを始める話を持ちかけられたんだ。その頃僕は「Muse (ミューズ)」というバンドのマネージメントを4年やっていて、毎日走り回っていた。最初は儲からないと思ってレーベルはやりたくなかった。今はどの音楽レーベルも大変だからね。本当は音楽プロダクション会社をやりたかったんだ。前に「Taste Media」でそれをやっていたからね。

バンドと契約して彼らの為にアルバムを制作し、その権利を他の会社に売るという仕事内容なんだけど、会社の偉い人に説得されて音楽レーベル BB を設立したと言うわけ。それで5年間で Barfly でプレイしたバンドを拾って契約していく計画を立てたんだ。だから "インディーロック・バンド" ばかりを扱ってる。僕は刺激的なギグが出来るような、力強い歌と曲のバンドが欲しかった。レーベルを初めて3年経って現在3バンドと正式に契約して、さらに別の3バンドと契約予定だ。僕らの目標は時間をかけてアーティストを育て、彼らが世界的に活躍出来る様に手助けして行くことだ。

 

- 所属アーティストを紹介して?

 

A : 最初に契約したバンドは「The Height」というバンドなんだけど、BB を立ち上げて間もない頃に聞いたデモテープだった。

 

映像:The Heights - For Real

それまでにも何千通もデモが届いたけど、99%良い物が無かった。最初に彼らのギグを見た時にポテンシャルを感じた。一般的に見ればまだバンドとして固まっていなかったけれど、それはた経験が少ないだけで磨けば光る物を感じたんだ。だから最初にしたことは、2年間半集中してツアーに回らせたんだ。その間もスタジオに入れて、曲を作らせた。結果的にリリース前に30曲仕上がったんだ。バンドのサウンドは例えるなら、「The Strokes」や「Foo Fighters」などのアメリカン・サウンド。でもキャッチーなコーラス等のイギリスらしさもある。

 

他にもオーストラリア出身の「The Morning After Girls」というバンドを抱えてる。彼らのサウンドはもっと「Shoegaze」や「My Bloody Valentine」、「Brian Jonestown Massacre」みたいな感じだ。

 

映像:The Morning After Girls - Run For Our Lives

彼らもとても素晴らしいバンドで、誇りに思ってる。彼らはオーストラリア出身だけど、アルバムのサウンドは当時の NY の音に近いものがあった。

 

3番目のバンドは「Trailing Laces」というバンドだけど、彼らはまだまだ若いバンドだ。リリース前にあと1年くらいはツアーをさせて、レベルアップを計る必要がある。彼らのサウンドは「The Verve」や「U2」に近いね。

 

- マネージメントと PR 両方をやっているの?

 

A : いや、PR は別に任せている。でもバンドとの相性に合わせて PR の人間をこちらで選ぶようにしてる。所属バンドとは毎日連絡を取りリリースやツアーのスケジュール、その他の方針等を話し合う様にしてる。

 

映像:Trailing Laces- Twisted Head

レーベルの中に様々な部門があって、それぞれのルールに乗っとり運営してる。インターネット部門の人間はオンラインでの宣伝を担当し、他にも TV 担当、ラジオ担当とすべて別々に管理してる。だから彼らも、自分が担当するサウンドを好きでいないと難しいよね。それを知らない人に売り込まないといけないわけだから。海外での PR も同じだよ。例えば日本でのリリースする場合も現地レーベルには PR 部門があって、そこの人達とも連絡を取って行かないといけない。

 

- 毎日沢山のデモが届くと思うけど、それらは CD、MP3、それともmyspace?

 

A : 個人的に myspace が良いね。CDR がもったいないし、地球に優しくしなくちゃいけない!だからmyspace で僕にメッセージをくれれば後で必ずチェックするよ。

 

映像:The Pistolas - Take It With A Kiss

- インターネットは音楽ビジネスにどう影響してる?

 

A : すべてを変えたよ。ファイルのシェアーは多くのレコード会社をつぶした、CD やレコードが売れなくなったからね。統計では去年1年間アメリカで、およそ52%の楽曲が無料ダウンロードされたらしい。これは大手レコード会社にとって大打撃だよ。それでインディペンデントのレーベルが増え始めたんだ。だから業界は新しい収入源を探して駆け回った。でも今のところ経営は低下し続けている。でも日本の人々はあまり音楽を無料ダウンロードしないみたいだね。良く売れてる方だと思う。だからまだチャンスはあるけれど、新しい収入方法を考える必要はある。

 

- 最近インディーバンドが7インチを良くリリースするよね?

 

A : 7インチは集めやすいからね。

コレクターが多いんだ。大手レコード会社は差をつける為にピクチャー・ディスクを作ったりしている。これを作るのに1枚およそ3ポンド (1ポンド約230円) 掛かるのに、それを99P (0.99ポンド) で売ってるんだ。全然儲からない!だけどそうやって種を撒いておくんだ。そうやって投資しておいて、いづれその7インチが数百ポンドに化ける様にね。

 

- 現在の UK インディー・シーンをどう見る?

 

A : これ以上は伸びないかもね... 現在 UK では数多くのライブ音楽があって、それらはどれも見れるレベルだ。それに毎週の様に素晴らしいバンドのギグがあって、客は入っているのに誰も音楽を買いはしない。

- 今後の予定は?

 

A : 今日本に「Barfly (Channel Fly が運営するライブハウス)」をオープンしようと思ってる。10年前は日本での洋楽の収入は市場の5%ほどだったにも関わらず、現在は25%にも跳ね上がっている。これは日本の消費者がより洋楽を受け入れていると言う事だ!先ほども少し言ったけど、今後新しい3バンドとの契約も考えている。その中の「The Pistolas」「Johnny Foreigner」は本当に最高のサウンドなんだ!だけどリリースが決まる前にあまり詳しくは言えないんだ。

 

Best Before Records :

http://www.bestbeforerecords.com

 

Written by Selph

Translated by Irie