クリエーターに突撃インタビュー

前回独善的ながらブレイクコアを分析、そして解釈してみたが、やはり一つのジャンルを掘り下げるにおいて音を発信する人たちの意見は、必要不可欠なことに気づいた。そして今回、単純明快にブレイクコアシーンを支える音の創り手たちにメールインタビューを実施してみた。無作為に選んだ6組のクリエーターたちは、本当に真摯な姿勢で気持ちよくインタビューに応じてくれ、多くの面白い意見、展望を語ってくれた。これを見て、新たな視点からブレイクコアに触れることを祈るとともに、インタビューから感じた音楽性や時代背景を分析していきたい。

今回インタビューに協力してくれた6人

 

SICKBOY

AARON SPECTRE

Eight Frozen Modules

SOCIETY SUCKERS

DJ C

DROP THE LIME

インタビュー質問事項は7つ

Q1 ブレイクコアを創るに至った直接的な影響は? またどんな音楽的ルーツを持っているか?
Q2 自分の楽曲に政治的な意志、及び感情的な観念を込めているか?
  またそれ以外に何か特定のコンセプトはあるか?
Q3 今の世界情勢、生活環境とブレイクコアの急速な浸透に関連性を考えているか?
Q4 ブレイクコアシーンの将来をどう展望しているか?
  10年後もあなたはブレイクコアを創っていると感じるか?
Q5 ブレイクコアを一言で表現すると?
Q6 ブレイクコアシーンのアーティストで尊敬する人は? その理由は?
Q7 ブレイクコアを聴いたことがない人へ何かメッセージを。

 

Q2, 3 で前回記事の最後に述べた "ブレイクコアと内面感情、世界情勢などの関連性" について聞いてみた。どのクリエーターも個性的で興味深い意見を述べてくれている。このインタビューを読んだ後、彼らの曲を聴く機会があれば、より深く彼らの音楽を楽しめるのではないかと思う。

SICKBOY

Q1 僕は音楽と共に生まれたと云えるね。両親は二人とも音楽家だったから、毎日ご飯を食べる様に当たり前に音楽と触れてきた。幼少時代は、本当に多種多様なクラシック音楽と育った。10代になるとハードロック、ヒップホップ、(その他諸々) にハマった。あちこちでバンドにも参加してたんだけど、シックリくるのは無かったなぁ。それで98年辺りから SickBoy 名義で DJ を始めたんだ。最初はエレクトロテクノや実験的エレクトロニカ、その後徐々にブレイクコアへ絡んでいくことになったんだ。この時期に自分のレコードを作りたい!という気持ちが湧いてきた。そんな中、刺激を受けたのは Venetian、Snares、Aphex Twin、Si Begg、Sunhead だった。でも僕にとってブレイクコアプロデュースに至るのは本当に自然な流れだったんだ。

これまで他のジャンルの曲を創っていないからなぁ。今制作過程の3枚目のアルバムは、これまで以上に illectro-inspired だからね!

 

Q2 YesとNoの両方だね。僕は政治的イデオロギーを反映する様な音は創りたくない。思うに音楽と政治はかけ離れた位置にある、だからアンチブッシュなトラックは書かないよ。だけども人が”考える”という行為に至ることは凄く重要なんだ。だから僕は音楽で人を驚かせるのが好きだし、時には混乱させたりする。そこから人が何かを考えてくれたらハッピーなんだ。そう考えると、僕の音楽には感情があると深く信じれる。僕は凄く感情的な人間なんだと思う。時に凄く優しくも、本当に最低な奴にもなれるからね。

 

僕のコンセプトはダンスエナジーを創ること。そして、"皆脳みそ振って踊るべきだ!" て信念でやってる。

Q3 コンピューターで音楽を創ること。これが音楽制作の最終段階か?僕たちは、他にどんな新しいマシーンや楽器を音楽制作に使えるんだ? (使ったことがないが) 僕が思うに全部ほとんど同じだよ。でもコミュニケーションは良くなってきてるよね。全てが目まぐるしく動いているし、不可能なことなんて無い様にも思えるし、タブーはどんどん破られている。こういう事から考えるとブレイクコアは、糞みたいなメインストリームに飽き飽きしてる若者の怒りを反射している鏡みたいなもんだね。これは77年に起きたパンクとか、他のサブカルチャーが爆発するのと同じことなんだ。糞どもにサンキューってメッセージだ。

Q4 正直言うと10年後に自分が、今と同じようなことをしているかどうか分からない。でも一つだけ確信できることは現在、自分がやっていることに僕は全ての愛憎を持って心から愛することが出来ている。このシーンは始まったばかりだと僕は強く思うし、誰にも否定されることの無い日まで力強く成長させていくべきだ!

 

Q5 Freedom of beats

 

Q6 沢山いすぎて書けない。それが理由。

 

Q7 Don't limit yourselves in your musical journey!

 

SickBoy Official Site: http://www.sickboymilkplus.be/

AARON SPECTRE

Q1 僕は人が我を忘れて意識のコントロールが効かない、純粋な狂乱状態に陥れさせる音楽が好きなんだ。初めてこういった音楽に触れたのは自分が生まれ育ったマサチューセッツのローカルな Hardore や Grindcore シーンだった。これらの音楽に受けたパワーは未だに僕を影響し続けているよ。今はほとんど何でも聞くけど、ルーツは Hardcore と言える。

Q2 僕の音楽には、沢山の反保守主義なサンプルが詰まってる。でもあまりに複雑なメッセージやコンセプトだと変にクラブで誤解されたり、本当の意味が失われちゃうから、分かりやすく楽しめる様に気をつけているんだ。"Fuck Bush & Blair now dance like hell!" てな感じに意識的なものと快活的なものを混ぜ合わすことが好きなんだ。気をつけろ!でも同じように人生も楽しめ!。

これが人々の生きる方向性であるべきだし、多くのブレイクコアミュージックが持つ根本的なテーマだと僕は思うよ。

 

Q3 その通りだと思うよ。今多くのダークな音楽たちが陽の目を浴びてきてる。Breakcore、Metal、Grindcore、Hardcore、etc…ほとんど全部だね。これは最近のテロリズムやプロパガンダによって、明白な世の終わりみたいな空気を人々が感じ取れる日常になってしまった状態が関連していると思う。楽観的なITバブル (ドットコムバブル) に人々が浮かれた90年代半ば、僕の住んでいた場所でダークな音楽をやること自体が不可能だったからね。全体にハッピーで楽しい雰囲気が充満していたんだ。

 

でも今は少し事情が違うね。今を生きる僕らは何かに対してハードワークしても見返りは少ないし、切れ目の無い恐怖にただ時間を埋められてる状態だ。米国でブッシュは既に軍事予算を24%も引き上げているんだよ!しかもその金は学校や社会活動などの予算を廻して作られているんだ。僕らの社会構造は明らかに減衰してきてる。そこから生まれるネガティブな感情はどこかに行きつくわけで、ポジティブに考えるとこういったアグレッシブな音楽はもっとリリースされるべきなんだ。クラブで狂乱する方がいい、日常世界で狂乱起こして物事を悪い方向に進めなくて済むからね。

Q4 ブレイクコアと呼ばれているか分からないけど、何かダークでハードな音楽を創り続けていると思う。新たな音楽はどんどん生まれてるからね!これだけは全く予測がつかないから凄くエキサイティングだよ。一つだけ不変な事、それはプロデューサー達はいつでも最新の技術を使って最も異常な音を創りだそうとする点だ。新しいスピーカー構造、機械、ソフトウエア、エフェクトが必ず現状では予測不可能な音を生み出していくんだ。

 

Q5 lust for life!

 

Q6沢山いるから、もし誰か書き忘れてたら許して欲しい。本当にこのシーンにいる皆が超フレンドリーな奴らだから。その中でも特筆すると、

 


Jason Forrest: 本当に全てのジャンルを横断して,クレイジーな影響を与えてくれる。


Xanopticon: 地球上で他に類を見ないメチャクチャ凄いロボットミュージックを作っている。


Society Suckers: 最高に狂気で変わってる奴らだ。


Baseck: 世界のラップトップ音楽に必要だったDJスクラッチ要素を持ち込んだロサンゼルスのターンテーブリスト。例えるなら Q-BERT がブレイクコアをやっている感じだね。


5Flowershop People: サンフランシスコで最高に飛んだパーティを主催している奴らだ。


DJ C: 彼はブレイクコアとは少し違うけど、そこが尊敬する理由だね。彼は素晴らしいプロデューサーであって、彼にしかない音を創るんだ。 自身が主催するMashitというレーベルで、様々なスタイルの音楽を大胆にミックスして旋風を巻き起こしている。全てに対してオープンな奴だ。

 

Q7 ブレイクコアは、まだルールの無い新しいジャンルだ。莫大なアーティストによる莫大な音のバリエーションがある。出来るだけ多くを聴いて、自分の好きなアーティスト達を探して欲しい。ブレイクコアはパーティにおいて、最高の経験をもたらしてくれるよ。ブレイクコアを心から理解するには、ライブを絶対見てくれ!

 

Aaron Spectre Official Site: http://www.aaronspectre.com/

Eight Frozen Modules a.k.a Electronic Music Composer

Q1 うーん、僕はいわゆるブレイクコアを創ったことはEight Frozen Modules名義で1996年に出した daydream nightmare という12インチ EP 以外無いんだよ。あの EP に一曲、確実にブレイクコアと言える音源が入ってる。あとElectronic Music Composer 名義の方の作品はブレイクコアと受け取られるかなぁ。でもそんなにブレイクしてないよ。全部がドラムマシーンを極限にプロセスさせてるだけ。最近、Peace Off というレーベルからブレイクコア風な曲は出したけど、あれは今のブレイクコアシーンに対しての皮肉みたいなもんなんだ。多分僕の曲は、時に相当クレイジーで細かい編集作業を経てるから、ブレイクコアシーンに含まれちゃうのかもね。僕のルーツの全ては、The Orb、Throbbing Gristle、My Bloody Valentine、King Tubby からだ。

僕のやってることは、例えダブと捉えられないかもしれないけど、全部ダブの要素が含まれてるんだ。

 

Q2 無いね。とにかくインスピレーションが沸いた時に曲を創る。ただそれだけだよ。全くブレイクコアは聴かないし、曲を創るために何かを聴くことも無い。ただトラブルや社会の枠組みから自分の居場所を逃がす為だけに音楽を聴くんだ。

 

Q3 まぁ世界は狂ってるよね。僕が曲を創るのは頭から耳に流れる過程で世界から逃避する喜びを得られるからだ。猫を飼っているんだけど、こいつが知ってか知らずか、曲創りを手伝ってくれるんだ。サンプラーの上で寝たり、遊んだりするのが大好きで、勝手にMIDIコントローラーをいじってるんだよ。僕のイカれたリズムと音に踊ってくれる愛すべき猫なんだ。きっと近いうちに彼の名前を曲にクレジットする日が来るよ。

Q4 うーん、まぁ僕は既にブレイクコアを創っていないし、今後も創る気はない。僕の憶測ではもっと複雑でクレイジーになっていくと思うし、なって欲しいよ。最近は色んなテクノの型を創りまくってるだけなんだ。僕は Kompakt を通して Adjunct というテクノレーベルを持っているんだけど、最近の音源は、ほとんどここからだよ。僕はドラッグに頼って尻振って踊るキッズ達にプレイするのが本当に好きなんだ、それにクラブで最高な時間を作る術を知っているよ。

 

Q5 Redundilicious (おそらく彼の造語、余剰なものという意味だろうか)

 

Q6 Ralf Mahoney 彼のリズムは So Fuckin Crzay だ!

 

Q7 最近、Billy Ocean がブレイクコアレコードを作ったと聞いた、おそらく凄いワイルドだと思うからチェックしてみて!

 

Eight Frozen Modules Official Site: http://www.eight-frozen-modules.com/

SOCIETY SUCKERS

Q1 音楽を聴いた事がない時から、音楽に影響を受けてると言えるよ!音楽と向き合ってる時間が最高だ!僕の両親はクラシックの音楽家だったから、小さい頃教会やオペラで沢山の音楽に触れた。その後自分の部屋を持ってからはラジオを聴いたり、好きな音楽をテープで自由に聴きだした。14歳の頃に初めてコンピューターでポップでビデオゲーム的な音楽を山ほど創っていたなぁ。自分がこれだ!と思った音楽を再構築したり、スキルを伸ばすことに夢中だったよ。街に一つだけ面白い電子音楽を置いてるレコード屋があって、そこでレコードを漁り始めたんだ。とにかくウルサイ音の中に色んな要素を発見する事が何より楽しかった。

Q2 それは絶対僕らのホームタウン Chmnitz が関係ある。昔は Karl-marx-stadt という土地名だったんだ。僕が14歳ぐらいの時 Society Suckers の相方で親友のセバスチャンがテクノやガバのパーティに連れ出してくれて、そこで僕らはクラブカルチャーを発見したんだ。その頃僕は Hiphop 寄りだったし、セバスチャンはハードコアパンクに夢中だった。ハードな音に惹かれてガバのパーティを楽しんでいたけど、その頃はストレートアップなガバだけで、パーティでは心の狭いスキンへツドのオーディエンスばかりという状況に少しまいっていた。ジャングルは知ってたけど、プレイするまでには至らなかった。

 

だからガバの客たちが持つフーリガン的態度に抗議するために、ハードで悪意に満ちた感じの曲をブロークンビーツの要素を持って創ろうと努力したんだ。ジャングルはブレイクビーツの速度を上げたようなものだけど、僕たちはブロークンなキックドラムやパンクのリフを絡ましてジャングルをもっと速くしたものを創りたかった。最初はハードコアの奴らに向けてプレイしてたんだけど、反応はイマイチだったなぁ。ストレートなビートじゃなかったから踊らないんだ。

 

まぁ今は幸運なことに変わってきた、人々がもっとブロークンで異様な音楽にオープンマインドになってきている。でもブレイクコアの聴衆にも同じように心の狭い奴らが出現してきているのも事実だよ。だから僕が思うに、今のコンセプトはソウルを持って色んなスタイルとテンポを組み合わして、その境界線を壊すことだ。音楽は人の心に良い気分をもたらすべきだし、日常の闘いをサポートする武器になるべきなんだ。

 

Q4 最初に二つ目の質問に答えると、僕らは既にこういった音楽を10年間創ってきた。ということは1つ目の質問の答えも見えてくるよね?話を戻して、これまで僕らは常にDJ達に "Harder and Faster!" と叫んできた。その間に多くのことがやらてきたし、これからも多くの新しい創り手が出てくるだろうけど、僕が思うに多くの人たちはもう全部やり終えられたと思っているんじゃないかな。でも Dj Scud、Panacea や Christoph fringeli といったオールドスクールな人たちは、凄くノイジーな音をここまで押し上げて進化させてきた。Venetian Snares にしても、いつも高速でディストーションまみれの音を創ってきただけじゃない部分が素晴らしいわけで、より多くの多様性を示して、次の世代の奴らが押し上げる部分を考えさせる何かを与えてる。

きっと10年後には最悪なレトロなレイブブームが盛り上がるかもしれない、そればかりじゃないことを祈るけどね。願うべきは、もう一度人々が楽器を手にして本当の意味で音楽を演奏していくこと、これは既に始まってきてる動きだ。先月、フランスのピアニストが出した CD なんて Old School Techno をピアノでやってるんだ。未来なんて明日ってことだよ。ただ、人々がそれらのルーツを忘れないことを祈ろうよ。"Warp records presents: the very best of breakcore volume 7" なんて冗談じゃないぜ! 何人かの連中はサーカスのピエロみたいに音楽を批評してるけど、僕はまだそんなの信じたくないね。

 

Q5 being broke / feeling invincible. everything has two sides.

Q6 うーん、かなり悩むよ。僕が心から尊敬する人たちはシーンのパーツにならない、なりたくないような人たちなんだ。彼らは独自にやるべき事をしてきて、自分がどういう人間か悟っている。色んな理由からシーンから距離を置いた視点を持っている人たちは、ただ聴衆を追いかけてる人たちよりポイントが絞られている気がするよ。パイオニアたちは常にビジョンを持っているからね。

 

Dj scud は今日シーンで多くの人々がやっていることの青写真を描いた、
未だにビートのアレンジやサンプルの使い方で匹敵できるものはいないと思う。

Slepcy は感情的でメロディックな音楽の青写真をつくった、コンピューター以外のものでそれを実際に演奏することができた人だ。
Noize Creator は東ドイツをシーンの世界地図で不断の発信源にした。ストレートなキックドラムから音楽を遠ざけることで地元の人たちをオープンマインドにした。
Christoph Fringeli は Datacide Magazine の立案者だ。不定期発刊になっても未だ、イデオロギー的側面で音楽を論じる雑誌はこれだけだよ。


本当に沢山いすぎて書ききれないけど、ここに述べた人達は僕らに多大な影響を与えてきたと言える。

 

Q7 今どんな音楽も広範囲に取り上げられているし、多くの人が既に自分の聴く音楽を決めちゃってると思う。もし君が今聴いている音楽にラフな何かが物足りなかったり、もっと強いキックが欲しいと思っていたら、こっちを覗いてみたらどうかな?お世辞じゃなくて良い "ブレイクコア" 音楽は今いっぱいあるんだ。品質コントロールは良くなってきてる。だから少し覗いて気に入るのが無くても諦めないで、どんどん探求して欲しい。これは明らかにドラッグ取るより健康的だし、新しい音楽を発見した時って笑顔になるじゃない? 僕は現実主義なので、きっと君を後悔させない自信がある。

 

もしも 僕のウェブサイトで幾つか僕たちのミックスをチェックしてくれたらありがたいよ。多分僕らの一番新しいレコードは mental industries から出てる。僕のソロプロジェクトである "karl-marx-stadt" 名義で、春にプラネットμの Chevron と UKツアーを行うよ。

 

Society Suckers Official Site: http://www.society-suckers.com

DJ C

Q1 僕はもともと Miles Davis のエレクトリックな作品や John Zorn、John Coletrane、Ornette Coleman などに影響を受けた自由な即興音楽をバンドでプレイしてたんだ。両親の影響で早くからレゲエを聴いてたし、勿論ビートルズやストーンズといった偉大なバンドの音も聴いて育った。80年代は色んなものに、はまっては去って、だったね。メタルヘッドからパンクロッカー、ブレイクダンサー、ポップやクラシックロック中毒を行ったり来たりしていた。80年代後半から90年代初めのそういうもの全部ひっくるめて自分に影響があったと思う。それから、Hip-hop, Dub, Metal, Punk, Noise, Improvise をごった煮にして曲を創りだしたんだ。その頃、Brian Eno の実験的な作品を発見してアンビエントにもはまっていったんだ。

Q2 政治的には僕は自分の信念を描こうと努力している。もし感情的なポリシーがあるとすれば、曲って直感的なものだから、心の調子が表れていると思う。たいてい曲に込める思いは、皆もっと尻振って踊るべきだ!というシンプルなものだよ。

 

Q3 実はこれについて考えていたことがあるんだ。最初に考えたのは90年代にジャングル、ハードコアテクノ、それからブレイクコアが一気に盛り上がってきた時なんだけど、それは新しい世紀に向けて、音楽がスピードアップしていく感覚だった。時代観念だけでなく人々の予測不可能な未来に対する感覚が結果として集合的エナジーで表面化したんだと思う。今更言うまでもないけど2000年、ネオコンサバティブ集団が世界で一番力を持った政府を手の加えられた選挙を通して劇的に乗っ取った。2001年アメリカ経済の象徴といえるものが想像を絶する攻撃を受け、軍事力が Free や Liberty といった民主主義の価値を弾圧して、終わることの無い戦争に世界を導いた。今日の音楽が何を象徴しているか僕は確信できないけど、90年代は何かを確実に感じていたね。

Q4 思うにブレイクコアは丁度、現時点で10年目だ。僕はこの90年代の半分を Ragga-core-jungle を創って費やした。でも今の僕は、違う音に動いているんだ。今は mashing up のジャンルに本気でのめり込んでる。なぜなら音楽は常に変わるものだからね。唯一音が違った方向に組み合わされる時に新鮮な何かをもたらしてくれるんだ。凄く親しみが沸くのに、これまで聞いたことのないような音楽が僕は好きだね。

 

Q5 Crunchy-mashed-up-buzinezz

Q6
DJ Scud: He's like a father of the scene.
DJ Rupture: He's the one who really turned me on to the shit in the first place.
Parasite: Toxic Dancehall & Death $ucker rock!
Aaron Spectre: A friend, and a rising star.
Jason Forrest: Not afraid to color outside the lines.
Venetian Snares: So prolific, and great production

 

Q7 ブレイクコアは臆病者には響かない。でも一度理解できたら、他の音楽にはない勢いを君に与えてくれるはずだよ。

 

DJ C Official Site: http://www.mashit.com/djc/

DROP THE LIME

Q1 僕はパンクやハードコアと育ったんだ。Sonic Youth、Fugazi、Quicksand などに影響を受けてバンドで歌ったりもした。それから Hiphop、Electronic music へと流れたんだ。その時期にレイブパーティに行きだして、Drum&Bass、Jungle を創り始めた。初期の作品に多く見られるボーカル素材はUnderworld などから非常に影響を受けていたんだ。僕はコンピューターを使わないんだ。SP202 というサンプラーと Tascam の4トラックだけの直球勝負だった。ベースラインは Radioshack のシットなキーボードの Flute OboeとCello の音をチューニングダウンしてディストーションかけるんだ。結局はドラムマシーンを手に入れてフルに曲を創りだせたんだけど。思うに僕がブレイクコアに向かった理由は Drum&Bass と Jungle のエナジーだ。

初期の DJ Hype や Omni Trio のジャングルに使われるドラムのフィル音が衝撃的だったんだ。それでマッシブなフィル音とハイテンション感が曲中ずっと続くような音楽を創りたかったんだ。

 

Q2 政治的なものより感情的なものが僕の曲には多くコネクトしてる。僕は Electronic Music を創る時、喜怒哀楽を道具として使うんだ。ブッシュは怪物だ、陰謀だらけの小さいスパルタ猿だ、自分の音楽がそういった彼への嫌悪感から出来るだけ遠ざかる方が良いと思ってるんだ。ブレイクコアを創る時は、もっとアブストラクトなんだよ。宇宙空間の外でぶっ壊れた異次元、ダンスフロアのカオス、建物の爆発、木々や植物などの自然界における不規則な成長、そういったものが僕の音楽に反映されるんだ。だからブレイクコアを創る時は、政治的でも感情的でもないね。僕の創るアルバムの素材やクラブミュージックからは想像できない様な違ったものからなんだ。

 

Q3 ブレイクコアに絡んでる多くのアーティストはパンクロックの初期と比べたら政治的だと思うよ。僕たち全員、Shizuo、Dj Scud、Patric Catani、Aphasic といったパイオニア達に恩義を感じている。彼らの曲は最新のパンクロックな姿勢を持っていたし、レコード屋にセクションが置かれる前からブレイクコアを創っていたからね。シーンは確実に成長してる、だからこそ僕は様々な他の Electronic Music スタイルと実験的に組み合わし始めたんだと思う。Dubstep、Grime、Techno、House といったものとね。もうそんなにアンダーグラウンドじゃないし、周りにある全ての要素を組み合わせてもいいはずだよ。これが新しいシーンを展開させる方法でもあるし。だから丁度今、僕は何か新しいものを探しているんだ。

Q4 うーん、僕らは皆スタイルとサウンドを進化させながら前進するべきだね。じゃないと一つのフレームに収まっちゃってクリエイティブなプロセスを失うよ。自分を繰り返したり、まねたりし続けるのは良くないね。常に自分自身を違う刺激や環境に置いたら、いつでもゲームの中でフレッシュにいれるはずだしね。10年後には絶対ブレイクコアを創っていないよ。正直今すでに僕はブレイクコアを創っていないと思うよ!

 

Q5 Schizophrenic A.D.D attitude embraced by sound

Q6 上で挙げたように初期の Ambush / DHR / Kool Popna からのリリースがなかったら今のブレイクコアシーンは存在しない。だから何人かの僕のフェィバリットアーティストはスピードとエナジーの限界を最高のプロダクションで押し上げた彼らだ。Rotator は Mr.Kill 、Black Ham 名義のプロジェクトにおいて、確実に新しいレベルのサウンドエクスプロージョンを見せた。僕が今聞いてるかぎり、彼は最高にタイトな名曲をいくつか創っているよ。Vex`d もヤバイね。なぜならあれは Grime なんだけど確実にブレイクコアの攻撃的な側面の音があるんだ。

 

Mathhead や Bristol の Atki 2 も同じく超重いベースで押してくるのがヤバイ。KID606 と Knifehandchop は数あるブレイクコアの中でも最も衝撃的なものを僕らに与えてくれた。だけど今は完全に新しいフィールドに移っている、これもまた衝撃的なんだ。Duran Duran Duran はいつも僕のお気に入りだね。彼の "Fuck you, I don care" 的な態度とヒューモアに満ち溢れた歪んだビートが好きなんだ。ここに書いたのは現時点で僕がリスペクトしているアーティスト達。数え切れないほどいるアーティストの中で頭によぎったから、まぁ Top な人たちなんだろうな。

 

Q7 just get rowdy

 

Drop The Lime Official Site: http://www.dropthelime.com/

最後に

今回6人のインタビューを終え、少なからずシーンの渦中にいるクリエーター達が、どういったバックグラウンドからブレイクコアに傾倒し、どういった思想を持ちながら曲を創っているか理解してもらえる内容になっていると思う。SickBoy の云った "考える行為の重要性"。Aaron の米国が抱える負への知的な懸念、そして "人生を楽しむ"=ブレイクコアの根本的なテーマという視点。Eight Frozen の世界から逃避した音を猫と創りだす愛すべき日常。Society Suckers が唱える "Harder&Faster!"、そして未来なんて明日から感じる止まらない音楽の進化退化劇。 DJ C の予測不可能な未来に対して人々が持つエナジーの表面化、から確信できる "時代の本音を映し出す" という音楽の普遍性。宇宙から植物まで、ありとあらゆる万事のリズムをそのまま感じ取るDrop The Limeのオープンマインド。

こういった非常に人間的な感覚と深い思想に彩られながらブレイクコアは時代を自由に走っているのだろう。単純に一言で表す言葉として僕が最も良いなと感じたのは Drop The Lime の "just get rowdy"。ジャストが染みる。今後も彼らのようなエネルギーあふれたアーティスト達がいる限り、ブレイクコアシーンは拡大していきそうだ。かといってこのタイプの "体感音楽" は、自宅のオーディオ機器では絶対に理解できないだろう。やはり最高のサウンドシステムとパフォーマーによるライブを生で体験していただきたい。きっと新しい音楽の楽しみ方を発見できるはずだ。

 

Written by Hirokit

 

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