現在 UK ヒップホップと言えば、そのほとんどがシンセサイザーを多用して、その上に高速のラップをのせるいわゆる "Grime
(グライム)" と呼ばれるスタイルが主流で、スカイTV やパイレートラジオなどで多くのローカルキッズがそのスキルをアピールしている。そんなハードでダークな現代シーンの中で、未だ90年代当時のあの洗練されたスタイルを求め続けるオーディアンスも数多い。そんな彼らから絶大な人気を集めるのが、72
Records だ。当時から UK のヒップホップシーンを支えて来たレーベルオーナー、ヒューさんに 72 レーベルについて話を聞いてみた。
レーベルを運営する上では、US レーベルの Stones Throw Records (ストーンスロウ レコード) がやっている事は本当にリスペクトしてる。それに立ち上げ当時の
Rawkus Records (ロウカス レコード) もすごく好きだったな、最近の彼らはあまり良くないけどね。それに 90's
中盤 (いわゆるミッドスクール) 当時の US ヒップホップ レーベルの立ち上げ方は本当に影響が大きくて、72レコードもこのスタイルを追っていたよ。
- 現在のレーベルの方向性は?
H: 今はプロダクションの質の高さのおかげで、僕らの知名度は上がっているよ。例えばカバーアート等をこだわって作ったり、トラックのマスタリングやミックスダウンにも
UK で1番良いエンジニアを使ったりね。
USA でプレスしたりもするよ、向こうは良い工場が沢山あるからね。ただ最近では誰でも簡単にレコードを作れるようになったから、中途半端な音質の状態でレコードをリリースする他レーベルが多くなった。それに比べて僕らは1つ1つ、しっかりと作り込むからその分リリースまでの時間が長くなるんだ。でもこれまで自分たちがリリースして来たすべての作品に誇りを持ってる。それにアーティスト達も他のリリースに比べて僕らのレコードは全体の完成度が高いから、自信が持てるみたいだよ。
H: UK シーンは世界でも巨大だとおもうよ。例えばインディーロックやヒップホップ、ダンスミュージック等、どのジャンルをとってもね。常に新しい事が始まって、新しいトレンドを生み、広まる。最も活気に満ちたシーンと言えるかもしれない。しかしながら問題は、僕らイギリスに住む人間がお互いをサポートしきれてないという事なんだ。実際僕らレーベルは、そのほとんどが外国からのサポートで成り立っている。例えばアルバムをリリースして
UK で1000枚売るのが目標だとする。でも同じ物がヨーロッパでは、2500-4000枚くらいは普通に売れるんだ。最終的には UK
は消費者よりもクリエイターなんだろうね。
- 将来の UK のホップホップ シーンに何を期待しますか?
H: 今の UK ヒップホップ シーンは、少し下がっているのを感じるね。しかしながら UK シーンというのは、半年ごとに変わって行くものなんだ。それにコアなファンは常にいるし、そうでない人達もまたすぐに帰ってくるよ。だから僕らはレーベルに、良い
"UK" のヒップホップという先入観を消して、純粋に良い "ヒップホップ" のレコードとして売っていきたいんだ。