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演劇「Trance」
"日本を代表する演出家 「鴻上尚史」。彼の長年の夢であったイギリスでの初の英語版演出作品が誕生します。加彩エミとの共同企画となる、鴻上尚史の代表作 「Trance」 (原題 : トランス)。2006年2月、書き下ろし新作上映専門劇場として35年の歴史を誇るブッシュ・シアターにて1日だけのリーディング公演が実施されました。そして作品の根底に流れる生きるという事の意味、孤独な愛という普遍的なテーマが、国境や文化を超え、イギリス観客の心にも深く語り掛ける事を実証。この公演が観客に大好評であったため、劇場の芸術監督に選ばれ、今年6月の本公演が上映される運びとなりました。2年間に渡り鴻上が渡英を繰り返し、自ら選出したキャスト・スタッフ。鴻上作品の持つユーモアとペーソスを織り交ぜた世界が、英語版としてどのように展開するかご期待ください。" |
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鴻上尚史インタビュー
- 今回の公演に至るまでの経緯を簡単に教えてください。
K: イギリスで公演をやりたいと... 海外の作品は日本にいっぱい来るんだけど、日本から出て行くものが本当に少ない。やっぱりそれはどうみてもおかしいので、英米の映画とかイギリスの最新の戯曲と言われるものを色々翻訳して読んでも、別にそんな大して
「いいな」 という感じにはならないという事が結構ある。だったらやっぱり出たほうがいいなと思っていた訳ですね。経緯としては、加彩エミさんと知り合ったことと、それからブッシュ・シアターで去年リーディングをやらせてもらえて。非常にラッキーなことに好評で、もう辞めちゃいましたけど前任の芸術監督だったマイクとの話でやらせてもらえることになったということですね。
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- 今回はイギリス人俳優を起用された訳ですが、今まで鴻上さんが日本でやってきた演劇というものを持ってくるのではなく、演出家自身がイギリスでのインターナショナルな活躍に挑戦するようにも見えるのですが?
K: 日本から持ってくることは全然悪くはない。僕も1度、第三舞台の作品を91年にロンドンとエジンバラとベルファストに持ってきたことがあるんだけど、それは自分の芝居を日本語で日本人がやって、英語の字幕を付けたんだよね。それも悪くは無いんだけど、やっぱりその字幕を見てくれる人の層が限られているので、もう1つ広がるためには、つまりはこっちの演劇界でちゃんと勝負するためには、英語でやるしかないだろうという風に思ったんだよね。
- ホームページでおしゃっていた、本当に伝えたいことがきちんとした英語になるのか、演劇の中に出てくる 「ギャグ」 も、きちんとイギリス人が笑えるのかというところは解消されましたか?
K: 今日ちょうど稽古場でやったところは、リズムを作らなくちゃいけないのでちゃんと訳してると長くなる、それで一部 「はしょって」
訳してるところ。
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| そうすると俳優がね 「ちょっとわかんないんだよ」 って言うんだよね。それで 「オリジナルの日本語を直接訳すとこういう事なんだ」
て言うと、「おーわかるわかる」 となるわけ。もちろん稽古前に、翻訳家も含めて何回も何回も一年半以上やったけれど。やってもやっぱり稽古場に入って俳優が自分の口にしてみると、「ちょっとこれがピンとこないんだ」
とか。それはまぁ日本語でもわりとあることで、つまり本読みの段階で俳優は疑問を持たないんだけど、いざ動き出すと自分の感情が入るからね。頭では
「わりとこういうのは言うかな?」て思ったんだけど、感情が入ると 「こういう言い方は絶対しないんだよね」 みたいなことがやっぱりあるんだよね。しかしそれはまぁ大した問題じゃ無いけどね。
昨日は昨日で3時間くらいかけて一生懸命 「下らないギャグっていうのは何だ?」 というのをやっていた。日本語で言う 「ずーっとベッドに寝ているのはしんだい
(寝台) なぁ」 とか 「薬が悪いからクスリ (薬) とも笑わない」 みたいな、非常に困った "おやじギャグ"
に相当するのは一体なんだろう?みたいな話をずっと喋っていて、それで全部ギャグをそういう風に変えようかってことになったね。
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- 今回の公演で一番訴えたいこと、そして一番の見所は?
K: イギリス人の観客には、これが日本の芝居だって思って見た時に 「なんだわかるじゃん!」 ていう風に思ってもらうのが一番狙いなんだよね。例えば障子が出てきたり...
よくわからないんだけどエキゾチックで面白いっていう事じゃなくて、なんかすごく 「わかるよ!」 て思われたらいいなと思うね。日本人の観客には、僕はこの作品をユニバーサルなものとして作るんだけど、多分その過程の中で自分の
「日本人的なもの」 を見てもらいたい。お客さんにはイギリス人も日本人もいるだろうけど、日本人は 「こういうところでイギリス人は笑うんだ」
とか 「こういう風に感じるのは凄く日本人的なんだな」、「この感覚は日本人特有と思っていたけどイギリス人もわかるんだ」 っていう発見があったら嬉しいなと思っているのね。 |
| そうすると世界中どこにいても生活しやすいというか... 「生きてゆくことは日本人だけで集まらなくたって、イギリス人だけで集まらなくたって、イスラム系だけで集まらなくたって可能なんじゃないの?」 っていう事がわかるかなという感じだね。
- では今回の演劇において、結果として見えるものは 「世界共通」 という訳ですね。
K: うん、成功すればね。失敗するとね、「何にもわかんなかった」 て言われて、「やっぱり日本人は日本人から出ねぇかっ!」 ってなるので、まあ結果次第。
- 今後また英国で公演を考えていたり、次の新しいプランやもっと挑戦してみたいことはありますか?
K: それはもうこの芝居次第ですよ。この芝居が成功したら次に行くし、この芝居が失敗したらもうなかったことにするしね。(笑)
- では今回は 「偉大なる挑戦」 ということですね。
K: そういうことです!
> 主演俳優インタビュー
公演案内
{公演期間} 2007年6月6日(水)〜6月30日(土)
{公演場所} THE BUSH THEATRE - Shepherds Bush London
{料金} £15 学割 £10 (全席自由席)
{チケット予約} ブッシュシアター・ボックスオフィス 020 7610 4224
www.bushtheatre.co.uk
(24時間ウェブサイト予約受付中)
{日本語予約] 若月 tel: 07765.547277 trancelondon@yahoo.co.jp
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- ロンドンの町について何か思いはありますか?
K: 僕は10年前になりますけどギルドホールという演劇学校に留学してた。その時1年住んでたので、まぁそんなにロンドンが初めての場所ではない...
でもまぁ今日みたいな青空が本当にホッとするよね。この街にいてもいいかなって思うけど、日曜にどんより曇って雨が降り続けてると、何で俺はここにいるんだと思うよね。天気を何とかしてくれって思うけど(笑)
Written by Toshimi Takaishi
鴻上尚史主宰の第三舞台公式サイト:
http://www.thirdstage.com |
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