What is The BBC Proms ?

The BBC Proms (ザ・ビービーシー・プロムス) とは、毎年夏季に開催される世界最大のクラッシックのコンサートシリーズのことで、8週間続く。期間中はロンドンにあるロイヤル・アルバート・ホールで毎晩コンサートが開かれ、同じくロンドンのキャドガン・ホールや、公園でのイベントも開催される。メインとなるロイヤル・アルバート・ホールでは、 一階アリーナと最上階回廊が立見席として当日券が販売される。特徴はこのチケットの価格。立見席は一律5ポンドで、クラッシックのコンサートの価格としてはとてもお得。この当日券購入に長蛇の列ができることも多い。The BBC Proms というだけあって、イギリス大手 TV 会社 BBC が運営しており、現在では全てのコンサートが BBC のラジオ、テレビで中継放送されている。

プロムスの起源と歴史

1895 年、通常はクラッシックのコンサートに行けないような人々も気軽に参加できるようにという趣旨で始まっている。創始者 Robert Newman (ロバート・ニューマン) 氏の目的は「大衆のなじみのある曲で、気軽に観客に通ってもらうことで彼らの音楽レベルを引き上げ、次第にクラシック・現代音楽双方への興味・理解を深めてもらう」こと、つまり一般大衆への音楽教育の機会、といった目的で始まっている。プロムスの言葉の起源は “観客が自由に歩きまわれる”、という意味で、当初は歩き回ることだけではなく、会場内での飲食も許可されていたという。ニューマン氏を引き継いだのは彼に雇われた指揮者の Henry Wood (ヘンリー・ウッド) 氏であり、レパートリーの拡大に貢献した。

 

* The Proms は「The Sir Hennry Wood Promnerd concerts」ともいわれる。

1920 年代までには、それまでのよりなじみのある曲だけでなく、同時代の作曲家の作品、つまり当時の現代音楽をレパートリーに加えるようになり、当初のニュートン氏の目的を達成した。以降、現在でも広く知れ渡ったなじみのある演目だけでなく新作音楽の紹介や革新的なイベントを企画するなど発展している。第一次世界大戦のころには広く民間に定着しており、 1914 年に「THE PROMS TICKET (ザ・プロムス・チケット)」と題された本が出版されベストセラーとなった。1927 年には BBC 運営となり、その後結成された BBC 交響楽団が中心のオーケストラとなった。第二次世界大戦が勃発し一旦 BBC から民間の運営に移るが、その後再び現在の形態、 BBC の運営へと戻った。

節目の年 - The BBC Proms 2007

113回目を迎える本年は、 BBC 運営となってから80周年記念の年でもある。それを記念して期間中にジャズのイベントなども開催される。本年のテーマはシェークスピアで、ヴェルディの ''マクベス'' など25人の作曲家による20のイベントでシェークスピアにちなんだ作品を紹介する。インド独立60周年を記念してのイベントなどもある。また、話題を呼んでいるのがミュージカル歌手 Michael Ball (マイケル・ボール) を起用したステージと、異常気象をテーマにしたミュージカル。このミュージカルは嵐によって家から連れ去られた子供たちを描いた物語だそう。マイケルは、ブロードウェー、そしてイギリスのウェストエンドで20年以上のキャリアを積むミュージカル界の大スター。日本でも人気の高い「レ・ミゼラブル」「オペラ座の怪人」などヒット作に出演している。かのアンドリュー・ロイド・ウェーバーの作品に多く出演する彼は、今回プロムスでもやはり、ロイド・ウェーバーの作品を歌う。

しかし、クラッシックのバックグラウンドを持たず、自身もプロムスに行ったことは無いという彼の起用は、クラシックファンの間で賛否両論を引き起こし、話題を呼んでいる。今年、2007年の会場を見渡すと、 聴衆は平均年齢が高いかと思いきや老若男女さまざまだった。ただ、会場では観光客を除いては有色人種の割合が少なかった。「大衆のクラシック音楽へ触れる気軽な機会」として産声を上げたこのイベント。その当初の目的を引き継ぎ、より多くのマイノリティーのクラッシック音楽への興味や関心、人気を促すことが、これからの ''The BBC Proms'' の役割・課題のひとつとなっているのかもしれない。かつての植民地、インドの独立を記念したイベントなどは、そうした流れを反映しているのかもしれない。

BBC 広報担当のサラ・マーティンさんからのメッセージ

「The BBC Proms は、世界中の素晴らしいミュージシャンたちの演奏にはじめて触れる方のための非常にいい機会だと思います。チケットはとてもお手ごろで、立見席は5ポンド。肩肘を張らない、リラックスした雰囲気の中でお楽しみいただけます。16歳以下の方はどのチケットも全て半額です。若い世代の人々の参加を促すように、参加型のイベントもあります。プロムスで開催される90以上のコンサートのなかには、年齢・人種・またそれ以外の要素に関わらず、必ず何かしらみなさまの興味を引くものがあると思います。」

How to Proms?

立見席はコンサート開始の30分前から500席分のチケットが販売される。この立見席は当日券のみ。著名な音楽家のコンサートだと午後早い時間から並んでいることもある。もともと一般の人にクラシック音楽に広く親しんでもらうことを目的としているので、特にドレス・コードはない。ドレスアップしている人もいればジーンズなどカジュアルな服装の人もいる。会場では荷物を枕にして寝そべって聞いている人や、抱き合って聞いているカップル、最前列でひしめき合って鑑賞している Prommer (プロマー) と呼ばれる熱狂的なファンなどさまざま。会場にはプロムス・グッズも販売されており、それこそクラッシック版夏フェスといったところ。 このプロムスが最も盛り上がるのは、最終夜。最終夜のチケット購入の権利を手に出来るのは、同シーズンの別公演チケットを6回以上購入した人だけなのだとか。詳しいプログラムや情報は以下サイトを参照のこと。

The BBC Proms

http://www.bbc.co.uk/proms/2007/

ROYAL ALBERT HALL

http://www.royalalberthall.com/

Michel Ball

http://www.michaelball.co.uk/

 

Written by Tomoko Hayakawa