コンクリート

このショップを見付けたのは、街中で目についた、さり気なくハンサムな着こなしをした男性をつい何メートルか尾行してしまった時のことだった。彼が入って行ったのは ''concrete'' と書かれたシンプルな看板が出ているだけのショップ。小道の壁に埋もれそうな控えめな外観と閉められたドアが孤立感をかもし出して、すぐ横に付いたブザーを押すのがなんとなくためらわれる。ところが中に入ると、程よく肩の力が抜けたシルエットが好きで欲しかったブランドがいくつも揃えてあった。客が商品を見ていても話し掛けて来ずに、流れる音楽に合わせて楽しそうに鼻歌を歌っている店員の素っ気なさにほっとする。

天井が一面窓になっていて温室のように柔らかい光の指す半地下のフロアには、レディス服のほかにもこげ茶色が重厚なテーブルと椅子、白く咲き誇る造花、ポップな雑貨などが置いてある。その中に、 『時計じかけのオレンジ』 に出ていたような白いマネキンを見付けて思わずニヤリとしてしまった。無垢でリラックスした雰囲気の中にふと垣間見える毒。実際、コンクリート店内のセレクトにもそんな精神が反映されている。今回は、ここでインタビューを試みた。

 

Address : 35A Marshall Street London W1F 7EX

Tel : +44 (0)20 7434 4546

Website : http://www.concretelondon.com/shop2.htm

インタビュー

- このショップのコンセプトは?バイイングの際等には、どんなことに気をつけますか?

 

店内にある服と雑貨の品数のバランスを保つことでしょうか。私たちは服だけに偏るのではなく、キャンドルや家具、その他のオーナメントを扱うことで、服に興味のある一部の人たちだけでなく、他の多くの人々の想像力を駆り立てられたらと考えているのです。メンズ服のセレクトは Unconditional (アンコンディショナル) をメインに扱っているので必然的にリラックスした雰囲気のニットウェアが多くなりますが、レディスは Preen (プリーン) や Zucca (ズッカ) のようなドレッシーなものも扱っています。ずっと同じブランドを続けるのではなく、大きなブランドと新しいブランドを織り交ぜながら最新のファッションを提供していくということに気を付けています。

- どうしてこの立地を選んだのですか?

 

当初、ここは予約のみの小さなショップとしてオープンしました。オーナー自身の願いとしては、たまたま通りすがっただけの人が次々と入ってくるような店にはしたくなかった。この店を知っている限られた人だけが来られるような場所にしたかったのです。オーナーのプレス・オフィスもこの辺りですし、そういう意味でこの立地は理想的なものでしょう。

 

- ショップ内でオススメのブランドは?

 

Unconditional 、 Horace (ホレス) 、 Gaspard Yurkievich (ガスパード・ユルケヴィッチ) です。

 

写真 : ニット Unconditional

 

 

- 人気のアイテムを教えて下さい。

 

今年は長くて存在感のあるマフラーが多く売れていますね。また黒のレザージャケットは形を変えて毎年売れるアイテムです。他にも Horace の T シャツや、 Unconditional のニットも人気のある商品ですよ。

 

写真 : レザージャケット Unconditional

 

 

- このショップのイメージを、映画、本、アート、音楽に例えてください。

 

ミックス・テイストがこのショップの根底にあるアイディアですので、ひとつのものを挙げるのは難しいです。強いて言うなら、総合的に見たコンテンポラリー・アートのイメージ。ただ音楽で言ったら、エレクトロやニュー・レイヴと言うよりも、ややグランジ寄りかもしれませんね。

- 店員としてショップに毎日立っている Julian (ジュリアン) 君にメッセージを頂いた。

 

Have fun, fun, fun and enjoy!

 

Written by Mai Matsuoka

Photos by Toshimi Takaishi