ロンドン・ファッション・ウィークの展示会
ファッション・ウィークの期間中、 2月12日から15日の4日間のみ市内の数箇所で開かれていた展示会。最大規模のサウス・ケンジントン会場を筆頭に、150余りのブランドが出展した。数々開かれたものの中でも今回は特に、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ (Royal Academy of Arts) を会場にしていたオン・オフ (On/Off) で展示会をしていた注目の次世代デザイナーたちを紹介する。
Hannah Marshall R
イギリス、コルチェスターのデザイン学校をトップクラスの成績で卒業した 2003年に、ネスタ (NESTA : 有望な新鋭企業や若手アーティスト、科学者らに出資する組織) からの投資を勝ち取ったハナ。その後も同組織からの本格的な支援を得るなど華々しい受賞暦を経て、今回、自身のブランド 『ハナ・マーシャル R』 のデザイナーとして、待望のコレクションデビューを果たした。
2007 - 8年 秋冬のコレクション
今季のコレクションのテーマは 『Quiet Noise (静かな騒音)』。異素材から成る均整のとれたドレスにブレール式点字が施され、秘密のメッセージを主張している。素材もイギリス産のものにこだわって集めたと言うハナ。ファースト・コレクションとは思えない、洗練された落ち着きを見せる。レーザー・カッティングやエッチング加工、型押し等が用いられたデザインが、黒く静かな布地に映える。
Website :
http://www.hannahmarshall.com
Yuchi
台湾出身のイヴァン・ランがデザインを手掛けるブランド 『ユチ』。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション (London College of Fashion) とウェストミンスター大学 (University of Westminster) でファッションを学んだイヴァン。学校を卒業してからはイェンス・ローガセン (Jens Laugesen) やブーディカ (Boudicca) と共に仕事をしていたこともあるというだけあって、彼らの影響も感じられるシャープなカッティングとクリーンなラインが魅力のブランド。
2007 - 8年 秋冬のコレクション
折り紙のような立体のドレープと、しっかりとした仕立てが特徴の彼のコレクション。彼の作品に共通する、清潔さとモダンなカットはそのままに、今季はメタリックカラーを用いてサイバースペースのイメージを取り入れた。肩幅の狭いきっちりとしたジャケットには、不規則にシャーリングが入ったパンツ。柔らかくヒダの入ったスカートには、ぴったりとしたトップ。これらの対照が、独特の 『ユチ』 の世界を表現している。
Website : http://www.yuchifashion.com
AminakaWilmont
『アミナカウィルモント』 は、マルクス・ウィルモント (Marcus Wilmont) と、マキ・アミナカ (Maki Aminaka) の2人のデザイナーが2006年に始めたブランド。デンマーク出身のマルクスは、セントラル・セント・マーチンズの MA メンズウェアコースを卒業。毎年世界中の若いデザイナーを対象に開かれるイッツ (ITS) の2005年大会にて、同大会最大の賞を受賞した経歴を持つ。スウェーデン出身のマキは、自国ボロース大学のウィメンズウェアコースを卒業。ロンドンに移住し、生地に実際に砲弾を撃ち込んだデザインの T シャツで有名なロバート・キャリー・ウィリアムス (Robert Cary-Williams) の下で働いていた時にマルクスと出会い、同ブランドを始めた。
2007 - 8年 秋冬のコレクション
『The Pugilist and Femme Noir (ボクサーとノワールの妖婦)』 と名付けられた今季のコレクション。その名の通りボクシングと、ヒッチコックに代表されるフィルム・ノワールの映画に出てくるような男を惑わすヒロインたちのイメージの下で作られ、そこにミリタリーやヴィクトリアンのエッセンスが加えられている。上品なラインと、スウェット素材やサテン、シルク等、全く異なる質感の素材を交えた、エレガントでスポーティ且つ、どこか内向的なデザインは絶妙。
Website : http://www.aminakawilmont.com
Written by Mai Matsuoka