D*Face インタビュー

D : 最初は子供の頃に母親が買ってくれた「サブウェイ・アート」の本がすべてのきっかけだった。でもその時母親は、自分がした事がどういう事か分かっていなかっただろうね。ロンドン郊外に住む子供にとって、その本は人生で最も重要な影響になった。それからその本を真似て紙に描いたり、親のスプレー缶を盗んで友達と練習したりしていた。でもその頃はグラフィティの本当の意味を良く解っておらず、あまり上達もしなかった。高校に入ってハマったスケートボードからも大きな影響を受けた。板のグラフィックを自分で描いたりしていた。高校卒業後はデザイン・カレッジに入学してイラストレーションやアニメーションを学んだ。そしてフリーランスのイラストレーター、デザイナーとしてデザインの仕事を始めたんだ。しかしエージェンシーからくる仕事はどれも退屈で、クリエイティブで刺激的な物は少なかった。

しかしエージェンシーには、文房具やコピー機などのグラフィック設備が充実していて、それらを使い自分個人の作品を創りだすようになった。その頃はステッカーやポスターを創ったり、スクリーンプリントを覚えたりとクリエイティブな事が楽しくて仕方なかった。徐々に自分の中で個人的な作品創りがデザインの仕事を上回って来て、悩んだ時期もあった。当時の彼女 (現在の奥さん) はとても協力的で、いっその事仕事を辞めて "アーティスト" として、やって行くべきだと言ってくれた。それで決心がついて、自分がどこまでやれるか試してみようと思ったんだ。

- 自分の作品を創る時、どんな素材をよく使う?

 

D : 最近はスクリーン・プリントをよく使うね。僕の作品はクリーンな物が多いから手書きキャンバスよりもプリントの方がきれいに見えて相性が良いんだ。でも作品によっては手書きとプリントを混ぜたりもするから、どの手法が1番良いとは言えないね。

 

- ブリックレーンの駐車場にある、彫刻インスタレーション "D-Dog" について?

 

D : あれは2007年に開催した僕のエキシビション "Death & Glory" の為に創ったインスタレーションだよ。元々のキャラクターは、昔からステッカーやポスターやトイなど様々な形で制作して、世界中にバラまいて来たんだけど、どうしても人が乗れるくらい大きい物を創ってみたくて実行に移したんだ。

その時のエキシビションのテーマが "Military" で、『あの巨大な「Drone Dog (無人機ドッグ)」が戦場に突っ込んで行くんだけど、みんな帰還出来ずにあの1機だけが車の上に落ちて来た』と言う設定だったんだ。制作過程は手書きキャンバス等とは全く違ったものだった。新しい素材を使う事は、僕にとって全く新しい手法の探索であり、自分のスタイルに1番合った素材を見つける為の大事な実験でもあるんだ。これまで立体彫刻から、北極での氷の彫刻まで色々と試して来たよ。

 

場所:Dray Walk 駐車場, Brick Lane London

- Stolen Space ギャラリーについて?

 

D : 僕はブリックレーンの近くに「Stolen Space」というギャラリーを運営していて、元々は自分や仲間のアートを発表する場所として立ち上げた。立ち上げ当時はまだギャラリースペースも無く、僕の奥さんが記者として働いていたグラフィク雑誌「Graphotism」に、僕と一緒に架空の商品を創り "Stolen Space" ブランドとして広告を載せるような事をやっていたんだ。「巨大マーカーペン」「ボミング・ベルト」「巨大ステッカー」など、存在しない物を実在商品の様に宣伝する "ジョーク" を2年ほどやっていた。やがてギャラリー運営の準備が出来て、現在 Stolen Space のもう1人のオーナーである「Jason」と出会い、自分のアイデアを相談したんだ。

僕は自分の周りの才能あるアーティスト達の為に、彼らの作品の発表の場を創りたかった。彼らの多くはストリートで活躍するアーティストで、もしそれらのアートをうまい具合にギャラリーに持ってくれば、今までに無い新しい形のショーになると確信したんだ。Jason は、ブリックレーンにある「Truman Brewery」の空き倉庫で、ギャラリーのオープンは可能だと言い、僕らは小さい場所を借りて現在の Stolen Space をオープンしたんだ。そして3年経った今、ギャラリーは大きく成長し、顧客リストも増え、すばらしいエキシビションを開催し続けている。しかしこれは一朝一夕で出来る事ではなく、僕らの長い時間と努力の結晶なんだ。僕らは有名、無名関係なく良いと思ったアーティストを起用している。これにより若手アーティストにチャンスを与え、大物アーティストと同じ舞台に立たせる事で彼らの価値を広めているんだ。

D*Face : http://www.dface.co.uk

Stolen Space : http://www.stolenspace.com

 

Written by Selph

Translated by Irie