Anti VJ

ヨーロッパで活躍するビジュアル・レーベル。VJ、映像インスタレーション、照明など、独自の世界観を持ち新しい視覚的アートの表現に挑戦している。また立体オブジェや建物の側面に映像を投影する事で、実物とヴァーチャルの融合を試みる先鋭的なアーティスト集団である。今回 Anti VJ のメンバーである「Joanie Lemercier (Crustea)」と「Romain Tardy (Aalto) 」に話を聞く事が出来た。

 

Anti VJ : http://antivj.com

マイスペース : http://myspace.com/antivj

 

Crustea : myspace.com/crustea

Aalto : myspace.com/vj_aalto

インタビュー

S : Anti VJ は4人のメンバーから成るヴィジュアルアートのチーム。それぞれがイギリス、フランス、ベルギーなど、別の場所で活動している。僕ら4人は共通して古いスタイルの映像や VJ が好きで、それらを近代的な手法で立体的に造り出し、4人それぞれの個性を混ぜ合わせて、映像インスタレーションやイベントでのライブ映像などを造っている。

 

R : 最近では、立体オブジェを使ったインスタレーションにも力を入れているよ。立体面に映像を投射する事で、平面とは違った見え方を造り出しているんだ。

 

J : 普段はクラブでの VJ や映像インスタレーションの仕事が多いけれど、大きいイベントになるとハードワークな場合もある。

 

映像:Light sculpture

例えば今年イギリスの Glade フェスティバルで VJ をした時は、あらかじめ造っておいた映像の他に、ステージ上の様子をライブ録画してリアルタイムにスクリーンに映し出しエフェクトを加える様な、即興性が高くて長時間のプレイが必要だった。普通 VJ のセットは1-3時間程度だけど、フェスでは10時間セットも当たり前だからね。

 

R : 今年の Glade フェスティバルで、どうしても "鶏の格好をした男が走っている" という映像を造りたかった。だから会場に着ぐるみを持参して、ステージ裏で自分たちがそれを着て走り回ってるのを撮って、そのまま映像として使ったりもしてたよ。あれは思い出に残ったな。

 

映像:3Destruct audiovisual installation

- VJ を始めたきっかけは?

 

R : もともとグラフィックアートを勉強していて、絵を描くのが好きだった。それでずっと自分の作品の違った見せ方を考えていて、2D アニメーションを始めたんだ。ある時パリに住んでいる友達がパーティーを開くから映像をやらないかと言われ、それで自分の造ったアニメーションを始めてプロジェクターで上映したんだ。その時の体験が最高で、それからライブ映像にのめり込んで行った。

 

J : 最初に本物の VJ を見たのは1998年の「Coldcut」のライブだった。それから強い影響を受けて友達のプロジェクターを使い、色々な映像の実験を繰り返して来た。

 

映像:Projection on building

- どんな機材を使っている?

 

R : 僕はマックのパワーブックに MIDI コントローラーを2台使っている。1つはトリガー用で、もう1つは映像の透明度をコントロールするもの。ソフトはスイスで開発された「Modul8」を使ってる。マルチ・プロジェクションが可能だし、フォトショップやアフターエフェクツと一緒に使いやすいからオススメだよ。

 

J : 僕は PC に「Arkaos」と言う VJ ソフトをトリガーに使っている。「Modul8」もリアルタイムでのコンポジション用に愛用してるよ。僕の MIDI コントローラー には "つまみ" や "フェイダー" がたくさん付いていて、微妙な調節も可能になっている。

 

映像:Inode A/V project

時々 Nintendo「Wii」のコントローラーを VJ 用コントローラーとして使ったりもしている。Wii のコントローラーは、少し改良すると "Bluetooth" 経由で PC からのシグナルに反応するんだ!それに Wii は重力センサーと加速センサーが付いてるから、コントローラーを持って腕を振り下ろすだけで映像を変える事も出来る。

 

映像:Live visuals with a wiimote

- ライブではどんな映像を好んで使う?

 

R : 個人的には 2D グラフィックのアニメーションを使うのが好きだね。今はアナログの切り絵を使った、デジタルのアニメーションを造ろうと思ってる。アナログとデジタルが絶妙に混ざり合った映像が好きなんだ。

 

J : VJ の時は映画の1シーンを抜粋した映像をよく使う。たとえそれが自分で造り上げた映像ではなくても、それらを混ぜ合わせる事で自分のスタイルを出す事は出来るからね。映像インスタレーションを造る時は、自分で造った立体オブジェや建物の外側に投影して、平面スクリーンでは表現出来ない映像を造ろうとしているよ。

 

Written by Selph

Translated by Irie

 

映像:Nordik Impact - Visual installation