ドイツ・ベルリンを拠点にワールド・ワイドで活躍する映像監督兼プロデューサー。数十本のコマーシャル制作やドキュメンタリー映画、ショートフィルム制作に携わった後、2004年、撮影・編集・音楽まで自身で制作したショート・フィルム「Proud to Be Your Neighbour (プラウド・トゥ・ビィ・ユア・ネイバー)」が、ヨーロピアン・フィルム・フェスティバル Prix Europe (プリックス・ヨーロッパ) にて最優秀作品に選ばれる。同年12月、フィルム制作会社 Plateau Film を設立。2006年には、L.A のヒップホップ・アーティスト Dr.Octagon (ドクター・オクタゴン) のミュージック・ビデオ「Aliens (エイリアンズ)」が、アメリカン・フィルム・フェスティバル Coachila Filmfestival Worldpremiere (コアチラ・フィルムフェスティバル・ワールドプリメラ) にて、アワードを受賞している。
映像 : Proud to Be Your Neighbour
インタビュー
UK Adapta (以下 U) : フィルム制作を始めたのはいつですか ?
Veith Michel (以下 V) : 1995年。初めての作品は、「death comes on high heels (デス・カムズ・オン・ハイ・ヒールズ)」。ストーリーは、男女が自分らの手首と真っ白なキッチンを切り刻む、血が流れる中で彼女が先に死んでしまうのだが、両者は愛に溺れている... という始まり。''もし血が流れていなかったら - それはリアルじゃない'' と自分自身と対話していた。僕はこの作品で、撮影から編集まで全てをこなした。これこそが今のワークに結びつくプロセスなんだ。でも更にさかのぼると、事の始まりは西ドイツの Albrecht Duerer School というアート学校に通っていた頃、フィルム・メイキングをもっと学びたいと感じたんだ。映像監督になる為には、何をどのように勉強したら良いのか...
それから僕はフィルム・メイキングにまつわる全てを勉強し始めたんだ。初めての仕事は AD としてのコマーシャル制作、後にダイレクターとして小さなコマーシャルを任された。そして90年代半ばから、クラブシーンで VJ を始めると同時に、ファッションショーやパーティなどで起用される 2D アニメーションを制作していたんだ。VJ 技術もフィルム・メイキングのためにかなり役立つと思うんだよね。
U : フィルムに携わる前は何をしていましたか ?
V : 楽しいと思うことは何でもしていた。スノーボードの先生、これは怪我をして辞めた。それからケルンのスケボーショップで働いたり、ファラフェル・ショップで働いたり。半年間インドに滞在して、ヨガを習ったり... でも一番は音楽だ ! 学生の頃、バンドで歌っていたこともあるし、本格的な活動は90年代に結成した Leary (リーリー) というハードコア・バンド。僕はドラマーとして、ヨーロッパ中をツアーした。日本にもツアーで行ったことがあるんだよ。東京・下北沢のシェルターと京都でプレイした。覚えている人いるかな ? 学校を卒業後、フィルム・メイキングから少し離れていたけど、ある日ベルリンから TV シリーズ制作のオファーがやってきたんだ。それをきっかけにケルンからベルリンへ引越し、あれから7年になるけど、未だここでの生活は、夢のような高徳な時間だと感じているよ。
映像 : ショートフィルム「Indipendent Movies Spots」
U : 会社 Plateau Film について教えてください。
V : アメリカ人映像監督の下で働いた後、2004年12月に自分で会社を設立したんだ。フォルム制作のプロダクションとして、ミュージック・ビデオやコマーシャル、映画の他に、アート・プロジェクト、パーティ用映像、VJ などフィルムに関わる仕事は何でもするよ。僕はカメラワークから編集、音楽制作、ライターまで全ての技術を持ってるよ。
U : 一つのプロジェクトに対し、何人のチームで制作しますか ?
V : そのプロジェクトにもよるけど、一人で作るものから、最大で30人携わるものもあるんだ。先日制作したミュージック・ビデオは、5人でこなしたけど、撮影時はもう少しいたかな?
V : Stanley Kubrick (スタンリー・キューブリック) が凄く好きだ。誰も成しえない、過激で一風変わった彼独自のスタイルに感嘆するよ。あと三池崇史の作品から湧き出るエネルギーも好き。そして僕の中でのナンバーワンは、イタリア人ディレクター Michelangelo Antonioni (ミケランジェロ・アントニオーニ) なんだ。
U : 好きな作品を1つに絞るとしたら ?
V : ミケランジェロ・アントニオーニの 『Blow up』
写真 : 映画 Dovepeople「Teaser」より
U : 現在進行しているプロジェクトは何ですか ?
V : ワシントン DC のエレクトロニカ・バンド Aligning Minds (アリグニング・マインズ) の DVD アルバムに入れる、3本のミュージック・ビデオと、劇作家 Heiner Muller (ヘイナー・ミューラー) のドキュメンタリー・フィルム、ダンサー Christoph Winkler (クリストフ・ウィンクラー) のパフォーマンス DVD「Go Go Berlin」、毎年ベルリンで行われる Tanz im August Festival のトレイラー、自分のミニシリーズ・フィルムも同時進行してる。あと今月末にもう1本、ミュージック・ビデオの制作が入ると思うよ。
写真 : Aligning Minds のミュージック・ビデオより
U : フィルム以外で好きなことは何ですか ?
V : 色んなものがあるけど、まず人と触れ合うのが好き。そして歴史や社会に関わるものかな。あと音楽を聴くのも作るのも好きだよ。
U : 10年後も映像監督でいると思いますか ?
V : はい ! この仕事は同じ事が繰り返される。ストーリーを構成して、撮影して、編集して... それでも僕のフィルムに対する情熱は、初めから終わりまで永遠に変わらない。