Tristan Eaton インタビュー

T : 僕はロサンゼルス生まれで、母親はウェールズ人。8歳までロスで暮らし、そこからロンドンに移り住みスケートボードを始めたんだ。16歳にロンドンを離れるまでスケートは続けていたよ。そのころのロンドンは良かったよ。スケーターもあまり居ない時代で、「Slam City」が唯一のスケートショップだった。ロムフォード、ハロウ、サウスバンク等色々な所でスケートして来たよ。1991年になるとみんな一斉にスケートをやめて、ドラッグ、パーティー、女の子等にハマりだした。ちょうどそのころかな、友達みんなでグラフィティに興味を持ち出した。僕の兄貴のクルーはすでに町中にボム (描く行為) をしていて、それに強い影響を受けて自分でも始めたんだ。兄貴からの影響は強いね、昔は良く殴られたりしたけどね!「Mode2」や「Elk」等ともそのころからの付き合いだよ。

その後デトロイトに移り住んだのだけど、強烈なカルチャーショックを受けたね。あそこには20歳まで住んでいて、アート学校に通いフリーランスのイラストの仕事をこなしていた。そしてビジュアルアートの学校に通う為にニューヨークに行ったんだ。そこで実際に本格的にフリーランスとして働き始め、「Kidrobot (キッドロボット)」クルーと付き合い始めたんだ。彼らが会社を設立する際、ロゴデザインや最初の "プラットホーム・トイ"のデザイン等を手伝った。「Munny」「Dunny」シリーズや、「Skumbo」「Toro」などがその時のトイだよ。でもしばらくして Kidrobot はコマーシャルな方向に行ってるような気がして、自分たちでもっとアート性を重視した商業目的だけではない会社を設立したんだ。それがデザインスタジオでありトイ・ブランドである「Thunderdog (サンダードッグ)」だ。僕らはトイ1つ1つに何か意味を持たせるため、それぞれ違った素材で作ったりしている。

- ロンドンでのプロジェクトについて教えて?

 

T : 僕らは Thunderdog というアート集団でもあり、「Corbis (ビル・ゲイツの会社)」という世界一大きいライセンス会社と組んで仕事をしている。僕らは自分等が抱えるアーティストに予算を与え、彼らが作る作品のライセンスを販売し、アーティストはそこから生まれるロイヤリティを受け取るというビジネス・モデルを作り上げた。これまで携帯電話会社や「D&G」等のブランド、その他多くの広告媒体などと仕事をして来た。1つのライセンスをこれほど多くの分野に流通させたのは Corbis にって初めてのプロジェクトなんだ。それに僕らがアーティストに仕事を与える事で、彼らもロイヤリティを得てアーティストとしてどんどん独立して行く事が出来る。このビジネスのアイデアを市場に出す事でも収入を得ているので、今回のロンドンのエキシビションもこのプロジェクトのプロモーションでもあるんだよ。

- ではこのプロジェクトに参加した人はすべて得すると言うコンセプトだね?

 

T : そう。僕はアーティスト達の独立を支援して行きたいんだ。そして世界中から集まったアーティスト達のコミュニティを作って行きたい。これは様々な種類のメディアの存在をアーティストに自覚させる事にもつながるんだ。すばらしい作品を創るアーティストは多いけど、彼らの多くは "ビジネスの知識" が無いためにそれを有効活用出来ず、生活する為のお金を稼げていないのが現状だからね。

 

- バイナル・トイは 90s 後半に香港の「Michael Lau」や日本の「バウンティ・ハンター」等によって人気が出た市場だけど、10年たった現在も人気を保ち続けている。これはただの流行ではなく、1つのムーブメントとして若者カルチャーに受け入れられているという事?

T : 当時はただの流行でしかなかったトイだけど、現在ではデザインしたトイを手軽に製産する事が出来るから、アーティストにとっては新しい作品の媒体として利用されていると思うね。

 

- これまでどんなアーティストに影響を受けて来た?

 

T : Ashley Wood, Katsuhiro Otomo, Mode 2, Zephyr と TATS Cru の Nicer。あと最近 Ai Yamaguchi の本をかったんだけど、本当に凄くて最近では1番インスピレーションを受けたね。

 

- 最近日本に行っていたと聞いたけど、どんな事をして来たの?

 

T : 僕の日本のエージェントである「CWC」が運営する「Lele ギャラリー」でエキシビションを開催して来たよ。

過去人気だった「Blythe Doll」シリーズの再発売も兼ねてね。僕が創ったこのキャラクターは「Runts」と言って、古くてビンテージ風なマンガのキャラクターで、酔っぱらいて、SEX が好きで、イカれてる、今風なマンガのキャラなんだ。エキシビションでは、これらのキャラクターの手書きのセル画を描いた。これらは何年も前に描かれたような古くて年代を感じさせるような雰囲気に仕上がって良かったよ!その後「Alive Athletics」という会社とショーを開催して来た。彼らとは一緒に腕時計をリリースしたんだ。代官山にある「Calquinto」ショールームと言う場所で3フロアを借りてのエキシビションだった。デザインした腕時計は本当にクレイジーだよ!とにかくでかくて表面には僕のグラフィックが立体で見える様に描かれていて、革製のベルトには同じデザインがレーザーエッチングされてるんだ。100個限定で赤と青の交換可能な立体眼鏡がボックス・セットで付いてくる。眼鏡のフレームにもレーザーエッチングが施されているよ。日本でのライブペイントでは「DJ Yasa」がいつもプレイしてくれていた。

僕らのトイをすべて日本で発表したのはこれが初めてで、「Mark Gonzalez」「TenaciousD」「Your Momma」や僕らの新しいコラボ・トイ「Murko」などを紹介する事ができた。

 

- 日本へは何度も行ってるようだね?

 

T : 3度目だね。実は「Ralph Danks 」という75歳の叔父が東京でアーティストとして暮らしているんだよ。彼は元ロックンローラーで、日本では相当人気らしいよ。彼のアート作品は六本木ヒルズのストリートポスターに起用されていたり、地下鉄の車両に描かれたりしてるし、実際僕よりも多くのトイをリリースしてるよ!

 

- 日本のトイのコレクションは持ってる?

 

T : これは言うべきじゃないかも知れないけど、不潔で最低な日本のポルノ・トイを集めてるよ!

これらのトイは本当にビューティフルだよ!女の子10人が変な風に縛られているトイのセットを持ってるんだけど、注入形成で作られていて1cmほどの細かいアクセサリー等の部分が本当にリアルに作られているんだ。最初に見た時には本当に衝撃的だったよ!

 

- UK や USA のトイはどう思う?

 

T : UK では「Pete Fowler.」のトイが好きだね。彼のスタイルは見た目が本当に楽しませてくれるし、丸々太ったデザインは本当に綺麗に仕上がっている。USA は「Kaws」が最近伸びて来ているね。彼に直接会うまでは、そこまでファンではなかったけれど今は本当にいいと思うね。

Thunderdog : www.thunderdogstudios.com

Written by Selph

Photos by Anja Parchet

Translated by Irie