Caution !!

このマーク、何だかご存知ありますか?おそらく多くの人が目にしたことがあるでしょう。こいつの名前 「笑い男」。そう、日本のアニメーション業界を代表する制作会社 Production IG (プロダクション・アイジー) から生まれた 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』 に出てくるアレですよ。 あのミステリアスなストーリーに花を咲かせたヤツ。皆さんは、このキャラクターを創った人を知っていますか?日本人が創ったと思っていませんか?それが違うんです ! これ、とあるお茶目なイギリス人の作品。今回はここでじーっくり彼の実態に迫りますよ。お見逃しなく !!

 

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX

原作 : 士郎正宗

監督 : 神山 健治

 

Paul Nicholson (ポール・ニコルソン)

1970年生まれ、イギリス南部ウィルトシャー州・スウィンドン出身。サリー州 Kingston Upon Thames (キングストン・アポン・テムズ) 大学で日本学史を修学。2002年夏、アート&ファション・レーベル 「TERRATAG (テラタグ)」 を立ち上げる。子供の頃に培ったグラフィティ・アートやドローイングのスキルと、在学中に学んだ日本文化を元に、独自のセンスを活かしたオリジナリティ溢れる作品を数多く世に送り出している。近年上映された 『Ghost In The Shell 攻殻機動隊ムービー2』 でもキャラクターを提供。現在、ロンドン北西部ハムステッドにオフィスを構え、グラフィック・アーティストとして活躍中。

 

 

 

 

 

 

今に繋がる幼少時代の遊び

ポールが現在の作品を創り出す根源、それはグラフィティだという。8歳頃から始まったドローイング。家でスケッチしてはストリートに顔を出し、毎日楽しくボム (ストリートに描くこと) していた。次に興味を持ち出したのは、レゴやプラモデル。それにはまって以来、ひたすら作ってはペインティングしていたのだ。とにかく描くこと、創ることが好きだった。

 

処女作

1984年初めて自分のデザインを形とする。BMX ライダーだった彼は、自分のチームのロゴをデザイン。しかしその当時、なんの技術も機材もなかったため、ステンシルを作りスプレー缶でロングスリーブを作成したのだ。

 

奇想天外な発想

洋' タギング 和' 習字

1987年大学在学中に学んだカタカナ漢字を使い、その日本語をグラフィティと融合させ、新しいデザインを生み出す。日本語が書けるイギリス人アーティストとして、その評価は抜群。一気にイギリスのアート業界に彼の名は広まったのだ。

ビッグ・オファー

笑い男を創った後、彼は続々と仕事を手に入れる。左の写真は、『攻殻機動隊 S.A.C.2nd GIG』 に 出てくる 「個別の11人」のロゴ 。漢字のノウハウをものにしたポールが組合わせる、漢字と記号のバランスは絶妙。アニメを観る機会があったら、じっくり探して欲しい。

驚くべき真相

一体誰がこのロゴを創ったのか...世間で話題になったこともあるこのフォントは、ミュージック業界ブレイクコア・シーンの第一人者 Aphex Twin (エイフェックス・ツイン) のものである。PV ダイレクター Chris Cunningham (クリス・カニンガム) の作品にも大々的に使用されている。実はこれもポールの作品。これをきっかけに、世界的に羽ばたき始めたポール・ニコルソン。彼の独特なセンスと無数のアイディアから生まれるデザインは、未知の世界へと続く。

Terratag Label Factory

カテゴライズされた2つの要素、アート&ファションをミックスさせ、デジタルプリントの Tシャツ、スウェット、ジャケットをメインに、ポスターやポストカード、ステッカー、フライヤーなどを生産している。その他キャンバスなどのアートワークには、シルクスクリーンを使用している。

ニュー・プロジェクト

ポール 「じゃー今日は特別に新しいデザイン見せちゃおうかなぁ。今ね、カモフラージュのイメージに漢字とひらがなを組み込んで、いくつかのパターンを創っているんだ ! 何に使うかは、まだ秘密にさせてもらうよ。」

 

近頃訳のわからない日本語が T シャツにプリントされているのをよく目にする。私達にとっては見慣れたはずのこの日本語が、彼の手によってデザインされていると、何だか素敵なものに見えてくる。これもポールマジックか !?

マジックをかけるためのアイディア

大学で日本語を学び始めてから、どんどん日本文化にはまっていったポール。彼は伝統的な日本の芸術浮世絵や着物などの染物から、インスピレーションを受けるという。和テイストと洋テイストを上手く混合させ、テラタグ・オリジナルが完成するのだ。

 

ポール 「僕ね、ガンダムも大好きで仕方ないんだ。プラモデルもいっぱい持っているし、ガンダムキャンバスも作成してるよ。日本のおもちゃは繊細でカッコイイ ! 」

更なる飛躍のために

まだまだ学ぶことがたくさんあると話すポール。いずれは日本人アーティストとのコラボレーションも考えているという。そんなポールに今一番欲しいものを聞いてみた。

 

ポール 「日本にスタジオが欲しーい ! 」

 

日本文化に触れ、来年で20周年。これからも彼が生み出すユーモア溢れる作品が楽しみで仕方ない。

 

Website : http://www.terratag.com/

 

Written by Toshimi Takaishi