ストリートアート専門店

東ロンドン、スピタルフィールズ・マーケットの一角に一風変わったギャラリーがある。2005年2月にオープンして以来、ゆっくりと人気を集めている、その名はスマッジ・ギャラリー。通常のギャラリーでは、大御所人気アーティストから若手アーティストまで、各々オーナーが厳選した作品が展示され、クライアントはそこで気に入ったアートを購入する。近頃はファイン・アーティストに限らず、グラフィティ・アーティストの作品も立派なアートとして展示され、反響を呼んでいる。しかしここでは、ストリートアートを壁に描かれたままキャンバスに映し出し、人々に提供するという新しいアイディアのもと運営しているのだ。描けば消され、消されれば描くというグラフィティ。あの時あの瞬間にしか見受けられないアートの数々を記録すると共に、それがキャンバスに打ち出されるとまた、ストリートアートの希少価値もあがるのはないだろうか。

スマッジ・ギャラリーのキャンバス製法

まず第一に街中のストリートアートを丹念に探し、写真に収める。そしてそのネガをキャンバスに打ち出すという極めて単純なものだ。しかし静止しているアートの本質を生かし、視覚に入った通りに表現するため、撮る技術は重大である。すなわち風景写真のようにも思えるそのキャンバスからは、躍動感とフレッシュさが伝わってくるのだ。キャンバスサイズは A4 (£30) A3 (£35) A2 (£50) を主体に、クライアントの希望に沿って 20” x 30” (£80) から特大サイズまで承っている。サービスがこれだけで終わらないのがこのギャラリーの見せ所!自分で撮ったお気に入りの写真を持っていけば、希望サイズのキャンバスを作成してくれるのだ。

ストリートアートは一体誰のもの?

皆さんもご存知の通り、ストリートアートはグラフィティと呼ばれるイリーガル行為である。ストリートという公共の場である以上、そこには著作権など存在しない。そこに目を付けたのがオーナーのスティーブさんであった。彼はこれからの運営についてこう語る。「ロンドンの街は無数のアートで彩られている。歩いているだけで素敵な作品に出会えるじゃないか。その自然の流れを利用し、このようなギャラリーを設けたんだ。近い将来、全ての人々がグラフィティを受け入れ、ストリートアートを愛するようになると思うんだ。」

最も売れているアーティスト

やはり一番は BANKSY (バンクシー) だという。イギリスから飛び出し、世界的に名を広げたバンクシー。地元での人気は今も尚上々している。彼の原画を購入するには最低£500 (およそ10万円) が必要だが、ここであれば手軽に手に入れられるのも人気要素の一つかも知れない。 EL CHIVO (エルチボ) や Miss VAN (ミス・バン) も後に続くが、バンクシーの売れ行きにはとうてい追いつかないとのこと。ちなみにスティーヴさんのお気に入りアーティストは、エルチボだそうだ。

SMUDGE GALLERY

住所 : 117 Commercial Street London E1 6BG
電話 : +44 ( 0 ) 20 7247 9004
最寄り駅 : Liverpool Street ( Central Line )
営業時間 : 月〜日曜日 午前11時〜午後6時
ウェブサイト : www.spitalfieldsmarket.co.uk

 

Written by Toshimi Takaishi