Ronzo インタビュー

2Dから3Dまであらゆる素材を使い、独自の作品を創るドイツ人アーティスト Ronzo。ストリートに施されたコンクリートの彫刻やいくつものレイヤーを使った立体キャンバスなど、その手法はオリジナリティに溢れている。今回は東ロンドンにある彼のスタジオに潜入し、彼のユニークな作品創りについて話を来聞いてみた。

 

- あなたについて聞かせてください。

 

R : 僕は文字を習うよりも前に、絵を描く事を始めていたよ。両親はそんな僕のアートに対する想いに気づいて、芸術学校に入れてくれた。そこで僕はアーティストとして生きて行きたいと気づいたんだ。

17歳ぐらいまでグラフィティに興味はなかったけど、その魅力を知ってからは、そのかもし出す雰囲気やそこで出会った人々、全ての虜になってしまった。当時のミュンヘン (ドイツ) のグラフィティシーンは技術がかなり高く素晴らしいものだった。その素晴らしさに魅了されて僕は描き続けようと決めたんだ。数年すると、典型的な文字を中心としたグラフィティのスタイルに飽きてきて、グラフィティのキャラクターをより追求したいと思うようになった。2000年、僕はドイツを離れる時だと感じ、他の言語を学び異なる文化に触れるためにロンドンに移った。僕は同じような考えを持った人たち、つまりイラストレーションのようにグラフィティとキャラクターを混ぜ合わせようとしている人たち、僕がずっと探し求めていた人たちに出会ったんだ。そして今、僕はグラフィックデザイン、イラストとアニメーションを混ぜ合わせて製作しているよ。

- 長年、影響や刺激を受けてきたものは ?

 

R : それは僕の周りで起こる出来事、日々の暮らしで体験した様々なことだな。何か日課でないことが君の一日を狂わせる、例えば、一風変わった人に出会ったら、僕はその体験を描く。周りにいる人たちに影響を与えられているという点において、似たような作品を創るアーティストから影響を受けたアーティストとは少し違うと思うよ。僕はもう少し外側を見ようとしているんだ。だから数学的に表現する MC Escher や Joan Miro が好きだね。彼らはより自由なスタイルを持っているから。

 

- Stolen Space Gallery での初ソロ・エキシビジョンについて ?

R : キャラクターたちを一つの世界観で表現したくて、インターネットで検索してみたら「Utopia (桃源郷)」の反対語が「Dystopia (地獄郷)」であると知った。そこは物事がすべて間違った悪い方向に行ってしまう世界。僕は ''Dys'' を ''diss'' に変えた。これはヒップホップカルチャーで嫌なヤツに嫌悪を示す意味を持っている。僕が作り上げた世界は地球上にあるのかも知れない、他の惑星にあるのかも知れない。けれどそれは大きな問題ではない。キャラクターたちも仕事をしたり、食事をしたりといった僕たちの世界のような毎日を過ごさなくてはならない。ただ、彼らは少し変異していて、5本腕があったり、タコのようだったりするだけだよ。

 

- 作品の素材としてコンクリートを多用しているようですが、その理由は ?

R : 他の人たちが使っていないような別の何かを使いと思っていた。コンクリートの見た目や構成が好きで、乾くと風化して滑らかであったり、まだ不完全であったりするところが気に入っている。僕の描きたいものの元々のコンセプトは、建物や壁が路地からはぎ取られてギャラリーに展示されているように見せるというものだった。街は僕たちを取り囲む、だから僕のキャラクターたちは彼らの世界で見られるべきだと考えたのさ。

 

- 作品に現れるもう一つのキャラクター Jonny Fu はどんな存在 ?

 

R : Jonny Fu は、僕が学生だった頃に友人たちと始めたプロジェクトだよ。僕らはゴジラとか格闘映画が大好きで、好きなものを集めた独自の作品を作ろうとしたのさ。

それはほとんど僕らの好きなクールな映画を混ぜ合わせて1つのアニメにしたようなものだった。主人公として格闘技のスペシャリストで、頭の片方の面に目があるいびつな形のキャラクターを思いついた。そして16ミリフィルムで撮影を始めたのだけど、カメラは多くのフィルムを浪費して、どんなものでも残りものから作り上げなければならなかったんだ。けれど最終的に出来上がったものを気に入っていたよ。アニメーションを作り終えた後、映画にあわせてキーチェーンやTシャツ、ぬいぐるみ、小さなフィギュアなどのキャラクターの商品もいくつか作った。

 

- 未だストリートで絵を描いている?

 

R : もっとストリートで活動できたらと思うけれど、今は時間がない。

もうすぐ出来上がる Evening Standard (英新聞) コラボレーションのポスターのたくさんの試し書きを抱えているからね。それから、 友人たちと一緒に秘密の場所に展示しようと計画してきた小さなコンクリートの彫刻作品もたくさんある。残念なことにこれらの彫刻の下書きをして作り上げ、ストリートに発表するような時間が十分にない。でもこの夏は、コンピューターからも机からも離れてまたストリートで先進的に活動をするつもりだよ。

 

Ronzo : http://www.ronzo.co.uk/

Photography : Delphine Ettinger & Selph

 

Written by Selph

Translated by Hiromi Saito