Francesca Gavin インタビュー

今や世界中を巻き込むほどの巨大なムーブメントとなった「ストリートアート」。そんなアートシーンの中心とも言うべきロンドンをベースに、当時からストリートアート/グラフィティを追い続けて来た女性ジャーナリスト「Francesca Gavin」に現在のストリート事情について聞いてみた。

 

F : 私の名前はフランチェスカ・ギャビン。UK のファッション誌「Dazed & Confused」のアート・ダイレクターを始め、様々な雑誌やウェブサイトでフリーランスのジャーナリストとして活動してる。雑誌媒体との仕事の他にも私個人のプロジェクトとして、「Street Renegades」というストリートアートに関する本を出版したわ。この本は主に新傾向のストリートアートに焦点を当てている。今年10月リリース予定のアート本の第2弾は、「Hell Bound」というタイトルで "スカル" や "ブラッド" など「ゴシックアート」をまとめた内容。そして現在製作中の第3弾は、クリエイターの自宅やスタジオを紹介するインテリア本で2009年リリース予定。

- 現在起こっているアート・ムーブメントについて?

 

F : 今は本当にアートが面白い時期で、いつも色々なエキシビションのオープニングに出向く様にしてる。だいたいオープンからわずか15分で会場は人で埋まり、フロア内には評論家やアートファンなどがアートについて語り合い、また別の所では投資家やお金持ちコレクターが作品を購入する為に列を作って並んでる。そしてお互い顔を見合わせ「私が誰だか知ってる?」と言わんばかりに、気取り合っているの。笑っちゃう様な光景だけど、これこそが現在ロンドンで起こっているアート・ムーブメントの良い例ね。ギャラリーは圧倒的に増えて、アートは巨額の値段で取引されてる。このアート・バブルがいつまで続くかは分らないけれど、今後アメリカ市場の影響で英国景気が変化した後、どうなるかが楽しみね。しかしこのロンドン・アート・ムーブメントは、現在巨大な波になって世界中へ広がりつつあるわね。

- これほどアートが世間に注目された理由について?

 

F : 人々がそこに何か特別な安心や感動を求めているのかもしれない。そこでしか味わえない体験を求めて、エキシビションへ足を運ぶ。自分の好きなアートを目の前にして何か特別な感情を抱いている行為は、教会に行きそこで安らぎを得る事に近いのかもね。今の人々が教会へ行かない代わりに、アートを見に行くとしたら「Tate Modern」などは大聖堂になるわね。

 

- Street Renegades で取り上げた新傾向のストリートアートについて?

 

F : 私はこれまで様々なグラフィティやストリートアートの記事を書いて来た。Banksy を始め多くの素晴らしいアーティストがシーンに参加していたけれど、彼らのほとんどは一般に認知される事は無くアンダーグラウンドで活動していたわ。

2002、03年になりストリートアートやグラフィティが世間に注目され始めて、メディアがこのブームに飛びついた。ブランドや企業は宣伝材料としてストリートに興味を持ち出し、流行を帯びて様々な本が出版された。それらの多くは、主に "ステンシル" や "ステッカー" などグラフィック要素を多く含む手法に焦点を当てた本ばかりで、私は正直早い段階で飽きてしまったの。私が本当に興味を持ったのは、もっとストリートアートとファインアートの垣根を越えた様なアーティスティックな作品。立体のオブジェクトを使ったインスタレーションや、これまで誰もやった事の無い様な実験的な作品に興味を持っていた。「Mark Jenkins」や「Space Invaders」などね。「Cut Up Collective」のシチュエーショニズム、「Slinkachu」の小さな人形をストリートに置くユーモアも興味深い作風ね。ストリートは表現が自由なせいか、様々な新しい手法がどんどん生まれて来る。これもストリートアートの魅力の1つね。

- アーティストが進化し続ける上で重要な事は?

 

F : 自分の個性やアイデンティティを正直に持つ事、流行や周りと同じ事をしないで、自分が本当に面白いと思う事をやり通しているアーティストの作品はやはり特別だし私は好きね。私はこれからもストリートアートを追い続けて、自分が影響を受けて来たこれら新しいアートフォームの魅力を読者に紹介し続けるわ。

 

Francesca Gavin : myspace.com/frantasticg

Francesca Blog : Guardian

 

Written by Selph

Translated by Irie