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海外における日本映画
日本人が考える日本映画の存在と海外の人々が認知する日本映画には、カルチャーや感性の違いからか、かなりのギャップがあります。そこには明らかに 「外国人が好きな日本映画」 があり、現在日本映画は絶大なブームが巻き起こっていると言えるでしょう。その波に乗って、日本人役者が海外の監督や役者達とコラボレーションするなど、日本映画業界も慌ただしく変化しています。日本映画がどのように海外で知られ、そして認められているのか、今まさに世界中で旬な日本映画にフォーカスを当て、ご紹介しましょう。
写真 : 「Dolls」 北野武監督 (2002)
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クラッシックな日本映画
私たちが考えている以上に、クラシックな日本映画は外国人に浸透しています。それは、ロンドンやパリなどアートが盛んなヨーロッパの主要都市で、古い日本映画を映画館で再上映したり、テレビで放送したりと目にする機会が多いからでしょう。特に黒澤明、小津安二郎、溝口健二、円谷英二監督等は、世界でもトップクラスの監督として語られています。そして彼らは世界中の大御所と言われている映画監督に大きな影響を与えました。
写真 : 「七人の侍」 黒澤明監督 (1954)
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世界の巨匠と日本人監督
例えば、ジョージ・ルーカス、スティーブン・スピルバーグ監督は黒澤監督と交友関係があり、特に映画 『スターウォーズ』 では、黒澤風の演出が至る所に施されています。円谷監督の 『ゴジラ』 はスピルバーグの特撮技術に影響を与え、幼少のフランシス・フォード・コッポラが監督を志すきっかけにもなった映画としても知られています。また、フランス・ヌーヴェルヴァーグの旗手、ジャン・リュック・ゴダール監督は小津監督を評価し続け、小津独特の人間の描写と空間をうまく使った撮影方法をアート・フィルムとして語っています。
写真 : 「ゴジラ」 より 円谷英二監督
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J ホラーの流行
古い日本映画が絶大な評価を得ている一方で、それを越える監督や作品が期待される中、その趣きは長い間停滞していました。しかし日本映画に対するその期待は、全く別のジャンルで成功を収めます。1998年映画 『リング』 の世界的なヒットによって 「Jホラー」 という新たなジャンルが海外で話題になりました。そしてその人気は衰えることなく、反響を呼び続けています。海外のホラー映画の一般的な演出はどちらかというと派手で、凶暴なキャラクターが主人公を追い回すという構成でした。しかしリングでは、日本の伝統的な心霊の恐怖をうまく描写しており、その独特の手法が外国人には新鮮だったのでしょう。
写真 : 「リング」 中田秀夫監督 (1998) |
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エロティックそしてバイオレンス
このような J ホラーブームは、低迷気味にあった日本映画界に潤いを与え、世界の映画ファンの目を引きました。興味深い事に、日本で一般市民に評価されにくい (一般ウケしづらい) 作品が海外で認められる傾向があります。特にエロティックでバイオレンスな要素は、外国人が日本映画に期待しているポイントでもあります。北野武、深作欣二、三池崇史監督等はその先駆けで、日本で認知されている以上に海外で多くのファンを抱えています。その一方で、ヌーヴェルヴァーグの影響を受けている黒澤清監督は、前衛的で実験的な映像を映画に盛り込みヨーロッパで広く知られています。
写真 : 「殺し屋1」 三池崇史監督 (2001) |
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現在とこれからの日本映画
日本人監督の海外での活躍によって、日本国内の映画事情も変化しつつあります。海外での日本映画の動きと共に、日本人の映画ファンは輪を掛けて日本映画を開拓するようになりました。そして近年、単館で上映されている様な日本映画が、動員を稼ぐ様になってきています。一般の人々の映画に対する目が肥え、色々なジャンルの映画が多くの人に受け入られ始めています。さらに、日本人役者が海外の映画に言語の壁を乗り越えて出演し、多くの賞にノミネートされる時代になりました。まさに今、日本映画事情はターニング・ポイントを迎えています。皆さん気になる映画は是非、映画館で観てください !!
写真 : 「バベル」 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督 (2007) |
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日本映画を鑑賞できるロンドンの映画館
■ バービカン・アート・ギャラリ : www.barbican.org.uk
■ リバーサイドスタジオス : www.riversidestudios.co.uk
■ NFT : www.bfi.org.uk/
写真 : 「アカルイミライ」 黒沢清監督 (2003)
Written by Tomohiro Ichikawa
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