「クリエイターのブランド化」 という傾向を、世界中にしらしめた DVD が、2003年ダイレクターズ・レーベルから発売されました。これらは、MV を監督別にカテゴライズし、作品集としてシリーズ化されています。以前 MV の著作権は、アーティストのものとされていましたが、この発売は、監督にその権利が移行したことを示し、MV 自体に芸術的な要素があることを決定づけました。しかし日本は、未だレコード会社に依存しているので、このような形態の DVD の発売は、当分先になるでしょう。
参加ダイレクター : Spike Jonze (スパイク・ジョーンズ) / Chris Cunningham (クリス・カニンガム)
/ Michel Gondry (ミッシェル・ゴンドリー) / Mark Romanek (マーク・ロマネック) / Jonathan
Glazer (ジョナサン・グレイザー) / Anton Corbijn (アントン・コービン) / Stephan Sednaoui
(ステファン・セドゥナウィ) Website : http://www.d-label.jp/
モーション・コントロール・カメラは、クレーンと連動しており、コンピューターにカメラの動きを記憶させ、被写体を同じ画面上に、何度でも合成させることが可能です。例えば、ミシェル・ゴンドリー監督は、積極的にこのカメラを導入しています。Kylie
Minogue (カイリー・ミノーグ) の 『Come Into My World (カム・イントゥー・マイ・ワールド)』 では、彼女が何人も同時に画面上に現れ、そのカメラでしかなしえないヴィジュアルを、実現させしました。日本では、Dragon
Ash (ドラゴン・アッシュ) の 『Life Goes On (ライフ・ゴーズ・オン)』 で、須永秀明監督が初めて使用して話題になりました。
映像 : Come Into My World / Kylie Minogue
Time Slice
タイム・スライスというテクニックは、映画マトリックスで一気に世界中に広まり、MV 業界でも使用され始めました。撮影時、被写体の周りに何台ものカメラを配置して、時間差で高速撮影するというものです。シーンを一時停止したような効果を得る撮影方法です。CG
の使用なしに、実際の被写体を、立体的で不思議な空気感に閉じ込めるその手法は、映像業界において大きな発明でした。左の動画、ミシェル・ゴンドリー監督作品
The Rolling Stones (ザ・ローリング・ストーンズ) の 『Like A Rolling Stone (ライク・ア・ローリング・ストーン)』
では、その効果と共に、モーフィング (画面上の別々の被写体を、徐々に変えていく手法) を同時に使用し、まさに新しい MV を演出しています。
映像 : Like A Rolling Stone / The Rolling Stones
アニメーションと CG
CG やアニメーションは、MV が世の中に出回る前から、独自に発展してきました。特にアニメーションに関しては、それぞれの国で研究され、どの国でも古い歴史がある映像として認識されています。その中でも日本のアニメーションは、世界的に絶大な評価を受けており、1996年テクノ
DJ 兼プロデューサー KEN ISHII の 『EXTRA(エクストラ)』 (森本晃司監督) で、独特のアニメタッチと電子音楽の融合として、世界を唸らしました。そして2003年、Daft
Punk (ダフト・パンク) とアニメ 『銀河鉄道999』 の著者・松本零士がコラボレーションした 『インターステラ5555』
では、MV の要素だけでなく短編映画、そしてアルバムのジャケットデザインまで手掛けることで、全てのプロモーションを成し遂げました。