"Cable Street (ケーブル・ストリート) は、質の高いエキシビションを行い、また才能ある若いアーティストを支援するために結成された。そして多くのポップカルチャーやメインストリームから離れ、流行を追わずに洗練された作品作りを目指している。またアーティストやスポンサーとのコラボレーションにおいては、柔軟なイマジネーションと限界まで挑戦する事を惜しまない"
Website : http://www.cablestreet.co,uk
メジャーからアンダーグラウンドまで、様々なエキシビションが頻繁に行われているロンドンで、彼らはひときわ人気を集める若手アーティストの集団だ。このクルーの主な活動は、スポンサーから依頼されるアートワーク、ライブペイント、そして才能ある若いアーティストの為に、定期的にエキシビションを主催している。我々は、ケーブル・ストリートの生みの親であるジム (aka Probly) に話を聞くべく、彼の住むフラットを訪ねた。彼のアパートへ入ると、アートキャンバスがそこらじゅうに散らばっていた。壁にも隙間無く飾ってある絵は、その1つ1つが素晴らしい作品だった。何でもエキシビションで使ったものや、人からもらったキャンバスがたまりすぎて、置き場所がなくなってしまったらしい。
- ケーブルストリートはどうして始まったの?
J: 最初は仲間数人で、東ロンドンの汚い倉庫の中で描いてたんだ。そこの住所がケーブル・ストリートだったんだ。その後、ロンドン北西部 Dalston (ダルストン) にある巨大な廃墟を見つけて、みんなで描きまくった。そうしているうちに、今度はエキシビションをやろうってことになって、場所を Dragon Bar (ドラゴン・バー) というベニューに移したんだ。そこから広がって、2005年に Urban Game (アーバン・ゲーム) という夏のフェスティバルに参加して、3日間のライブペイントショーをやった。2006年には、Lovebox Weekender (ラブボックス・ウィークエンダー) で、ヨーロッパのグラフィティ大会を主催した。そこでは音楽テントを設けて、Cold Cut (Ninja Tune) や、Tigerstyle (ITF Champ) などのトップアーティスト達とワークしたんだ。僕らは常に前進したくて、より大きく、良い場所を探しては描きにゆく。今年の年末にグループ展をやるんだけど、今回はオリジナルな作品を手掛けて、尚かつシーンを理解でき、やる気のあるアーティストを厳選して主催するよ。
いずれは自分のギャラリーを持って、僕の大好きなアーティストのためにショーケースをやって行きたいな。
- ジム個人の作品については?
J: 過去3年くらい徹底的に描いていて、スタイルもどんどん進化していってるよ。同じものを何度も描くのが好きじゃないんだ。せっかちな性格だからね。いつも新しいものを見たいんだ。
- 100% オリジナルを描くってなかなか難しいよね。
J : どんなアーティストでも必ず誰かの作品に似ていたり、アイデアを真似したりしている。でもこれは仕方ない事かもね。誰だって少なからず他からの影響があるはずだから、文句は言えない。
- ケーブル・ストリートはアーティストのエージェンシーでもあるの?
J: 確かにいろいろな仕事の依頼が来るけど、自分たちの興味が湧く仕事だけやるようにしてる。クライアントはみんな "きれいなストリートアート" が好きみたいだね。流行ってるからかな?
- 沢山のアーティストの中からクライアントはどうやって1人を選んでいるの?
J: PR 用のポートフォリオをいつも持ってるから、その本の中から仕事にあったアーティストを選んで紹介するんだ。
Youtube Video : Painting for Manga Entertainment
- ジムはどうやって生活しているの?
J: 僕はフリーランスのイラストレイターでもあるんだ。今ちょうど Hayward Gallery (ヘイワード・ギャラリー) というギャラリーで、あるアワードの仕事を手伝っているよ。自分が手掛けるグラフィックは過激で、ものすごい量のイメージを一緒に詰め込むようにしてる。僕にとって仕事とグラフィティは全然違う2つの世界であって、お互いをなるべく遠ざけるようにしてるんだ。
- 自分でイベントのオーガナイズを始めたきっかけは?
J: 当時、本当にすばらしいと思えるエキシビションが少なかったんだ。そこで、自分が好きな要素が全て詰まったエキサイティングなエキシビションをやりたかった。マンガやアニメ、グラフィティも取り入れてね。ソロのアーティストとして良い作品を作っている人達がたくさんいる中で、彼らの良さを十分に発揮させるプロモーターがいなかったし、才能ある多くの若いアーティストは、PR のコネクションが無いために、世に出るチャンスに恵まれない。でも頑張って描き続けているんだ。彼らは下手な売れっ子よりも全然すごい作品を作っているよ。
僕らはロンドンのアートシーンの団結を目指しているんだけど、なかなか簡単にはいかないね。今ロンドンにあるそれぞれのシーンは、ちょっとずつ違うから。例えば Dragon Bar (ドラゴン・バー) と Jaguar Shoes (ジャガー・シューズ) というベニューがあるんだけど、遊びに来てるお客が全然違うものね。もちろんお互いの交流はあるんだけど、Jaguar Shoes (ジャガー・シューズ) の方は流行が激しいかな?これはカッコいい、これはだめってはっきりしてる。もしみんなが単純にアートが好きで集まってくれたら、きっとすばらしいアート・コミュニティが出来るだろうね。
ジムが、家の秘密の中庭に連れて行ってくれた。部屋の窓から外に出ると、となりの家の屋根から8件ほどの低い建物が密集しているのだ。そこはまるで広場のようになっていて、至る所にスプレーで絵が描いてある。来客が描いていくそうだ。中にはロンドンのストリートでおなじみの Elph (エルフ), Dave the Chimp (デイヴ・ザ・チンプ), Flying Fortress (フライング・フォートレス) もここを訪れた様子。
Written by Selph
Translated by Irie