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LDNiCON
LODiCON (ロンドン・アイコン) は、ロンドン建築のすばらしさを祝うとともに、その気まぐれで時には柔和に都市を構成する建築物を紹介する企画である。しかしこれはロンドンの有名建築を特集するためのものではなく、むしろ普段あまり知られていない建築、またそれらが存在する空間に焦点を当てていくのが目的だ。これらの建物はこの広大な都市の1部として存在し、近年の代表的な建築とは違いロンドンという空間の演出に貢献して来た建物なのだ。我々ロンドンに住む者にとっては、こういった毎日の生活に密接に関係する建築の方がその歴史を知る分はるかに親しみを持てるのだ。これから毎月様々な建築を発見/経験して行くと共に、我々の考えるロンドン・シティーの
"建築アイコン" を紹介して行きたい。 |
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Trellick Tower
名称:トレリック・タワー
場所:North Kensington, London
建設:1972
建築家:Erno Goldfinger
What's hot:建物は当時、犯罪の巣窟と呼ばれ人々から忌み嫌われたが、その後ロンドンを代表するモダン建築として賞賛された。
What's not:使用中止になったボイラールームは、改築せずにそのまま放置されている。
31階建てのトレリック・タワーは、低い建物が並ぶ西ロンドンの町並みの中、一際突き出て見える特徴的な建築である。
1966年、建築家「エルノ・ゴールドフィンガー」はロンドンのカウンシルから、270件の住宅ビル設計の依頼を受けた。ちょうどその頃は、高い住宅ビルを建設する事で建設費用や時間の削減、人口密度の増加による住宅需要の高まりを満たすと考えられ、多くの
"カウンシル・フラット" (住宅ビル) が立てられた時期だった。しかし多くの世帯を1つの建物に集める事で犯罪は増加し、地域の治安はどんどん悪くなって行き、トレリック・タワーを含むカウンシル・フラットは危険な場所として人々から恐れられる様になった。その後も強姦やドラック売買が増え、建物のセキュリティーは機能を無くし、メディアは
"タワー・オブ・テラー" (恐怖のタワー) の異名を付け、人々はトレリック・タワーから遠ざかっていった。
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現在では地元コミュニティーによる建物管理人の就任やセキュリティの強化がなされ、市営だった住宅の多くは個人オーナー達に売り渡された。こうして1度は
"犯罪の巣窟" と忌み嫌われたトレリック・タワーだが、今では多くの家族を養う大型住宅ビルとして役割を果たしている。
建物入口のドアやその周りをガラスで囲む事により、日の光が十分入り込む設計になっている。また各フラットにはバルコニーがついており、ロンドンの街を見渡す事が出来る。
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長方形にそびえ立つこの建物はエレベータールームと住宅の2つの塔で構成され、各3階ごとに2塔を繋ぐ橋が架かっている。橋の掛からない階の住人は、1階上か下までエレベーターを使い、それから階段を使って自分の部屋までたどり着く滑稽な造りになっている。
建物の外見は未加工状態、まるで巨大なコンクリートがむき出しの状態で建ち、そこにガラスやフレーム、バルコニーが取り付けられた様な、殺風景な印象を受ける。これは当時のモダニズムの影響を含んだ建築スタイルで
"ブルティリスト" と呼ばれ、醜く不快なものに美学を見る芸術の1つである。トレリック・タワーはそういった70年代のモダニズムの名残を残す、貴重な建築物でもあるのだ。
また列車がロンドンの中心パディントン駅に入る時には、西ロンドンの顔として視界に入ってくる。
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この茶色と灰色のコンクリートの固まりは、周りの建物と比べ一際目立って見える。繊細さは無く、ただ頑丈にそびえ立つその姿は、英国人気バンド「Blur」の歌詞にも登場し、数多くのミュージック・ビデオにその姿を見せて来た。かつては無秩序と恐れられながらも、今では映画や TV コマーシャルは
"アーバン・クール" とこの塔を讃え、人々の語り草になっている。そんなユニークな歴史を持つトレリック・タワーも、我々の考える
"ロンドン・アイコン" の1つだろう。
Written by Tai Hollingsbee
Translated by Irie |
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